メイザーズぬまきち講演会 メモ4「ディスカッション コンテンツ産業の現状」

(ぬ)R−18禁ゲームは流通が強くコンテンツ制作者が下という言説が流布しているが、実際は微妙な話。そういったメーカーもあるが、そこだけがセンセーショナルに語られている。DLC中心の2980円ものはサーバー管理会社から金を借りることもある。流通などから資金調達せずに身近な自分の金で作るところもある。自分の分を理解して、制作現場をコントロールすれば金はかからない。本来的には普通のサラリーマンの貯金で作れる。アニメーターは皆貧乏か、というとそうではないのと同じ
(よ)アニメは本数ではなく分で計算するため、本数が減っても分があれば
(ひ)書籍の場合は本を出荷したら取次から金をもらえるがR−18ゲームも同じか
(ぬ)同じように流通が金を出してくれるところもあり、一般の会社と同様の90日返済ルールもあり、色々
(ひ)一年延びたとき、どこから金を借りたのか
(ぬ)広報から借りた。業界のみんなで酒を飲むと「みんなそうだよね」と意気投合する。ユーザーからすると「気楽に延期しやがって」かもしれないが、中の人は本当に苦しい

メイザーズぬまきち講演会 メモ5「メイザーズぬまきち氏のかかわった作品を中心とする、コンテンツ作品論」

らーじPONPO

(よ)実際にゲームをやらないで批判する人が多すぎる。僕は時間の大半をゲームをプレイする時間にあてようとしている。今日は研究者としてより一ファンの立場として参加したい
(ぬ)一番最初にシナリオ書いたのは同級生if(サターン版)舞の妹の追加シナリオ。
(よ)R−18禁ゲーム業界に移った出した最初の作品『らーじPONPON』は超ニッチ。腹ボテものの元祖かも。早すぎたゲーム
(ぬ)初回生産分よりもリピート分の売り上げを期待するゲームを制作している。逆説的に営業が怒られる。
(よ)当時はあまり話題にならなかった。「コメディタッチホスピタルシミュレーション」はない。
(ぬ)おなか膨らませちゃダメだと社内で喧嘩した。ゲロ(当時、AV界で吐瀉物ものの女優のレベルが高かった)と孕ませで検討した結果、孕ませに

ピュアメール

(ぬ)シナリオライターが逃げた。CGからシナリオをリバースエンジニアリングして作った
(よ)ケータイ、メールをうまく使うのがぬまきちさんの特徴
(ぬ)できるだけ学生的なるものの通俗性を取り入れようとしている。ネットやってる人に取材して、自分でもネットつないでチャットした。リアルタイムで生きている人の話を書く
(ぬ)2004年から2010年とでは学生の時間の使い方が違ってくる。たとえばSNS、モバゲーの普及。だいたい3年で入れ替わりが起こり、卒業する3年生は新1年生の言っていることが分からなくなる。変化の流れが速いのがしんどい
(ぬ)R−18禁ゲームだとミスコンやスイカを割ったりといった80年代のいまどきありえないセオリーが生きている。購入者にとっての安全を守っているがOverflowではリアルを取り込む率をあげてやる。なるべく現実に近づける。すると逆に、買っているお客さんには分からなくて「ねーよ、こんなこと」と言われる

SchoolDays

(よ)企業努力があるという一方で、作品の連続性がある。『School Days』以降より密接に。
(ぬ)とっかかりとしては同級生1、2(注:同級生1に出演したキャラの1人が同級生2にも出演している)やトップをねらえ!(注:作品中で数十年の時間が流れる。しかも、流れる時間が一定でない。ほとんど年を取らないキャラクターもいれば、おばさんになる人、おばあさんになる人もいる)。GAINAX流の一個一個の掘り下げ方が作品の連続性につながることがある
(よ)そこはかとなく繋がっていることでブランドイメージの確立にプラス
(ぬ)Overflowはそこまで洗練されてない。その後に出たTYPE-MOONが洗練されている。あとから来た人たちの凄さを痛感する
(よ)TYPE-MOONの場合は喫茶店が同じとかあるけど、Overflowの場合は血縁のこだわりにこだわっている。明示されていないが、この子とこの子の父親が同じとか自明
(ぬ)基本、タイトルの中で話がきちんと構成されることが前提。その上でつなげる余地があればほってはおかない。突飛にキャラが動くと評されることが多いが、私が書いて突飛に動くこともあれば制作上の都合のこともある

CrossDays

(ひ)女装っ子に勇気を与えるCrossDays
(ぬ)一部の人が騒いでいるが、アンケートでは1%教〜2%。小さいコップのなかで騒いでいる。世界を殺意を持って2回殺さないと出てこないことに気づけと言いたい。騒いでいる人がうっかり流すか、ゲームやってないかどちらか
(よ)情報を素人が真実ぽく適当に流す。メディアの一番悪い面が出ている。対象を実際にやることが重要。
(ぬ)皆が画一に向いているように見えるけど、実際はそんなことない。騒ぐ人の実態は最大風速で2000人。騒ぎになってもリピート分の売り上げは200本程度。ネットの中の世界は狭い。ネットの話を受けてゲームを回避したりしなかったりはプラスマイナス2000が限界。なのに、俺たちが取り上げたからという意識が見える。興味深いところだ

メイザーズぬまきち講演会 メモ6「表現規制」

(ひ)都条例により危機的状況にある。具体的には、有害図書の範囲を広げること、蔓延防止を都、事業者、親、都民の義務にしていること。東京都に付和雷同して千葉、神奈川からも。有害コミック運動のときはコンビニからエロ本が全滅、エロマンガ雑誌にエロがないという状況。それらがもう一回起こるのではないか
(ひ)そんなにたくさん注目されているのかな?まだまだこれから。twitter主導?で動いているが、意外と間違った情報が流れている?これからは細かいところもつついて行けたらなと思っている。面白いのでアグネスちゃんのtwitterをフォローしよう
(ひ)今は都条例が盛り上がっているが、児童ポルノ法も単純所持の審議が止まったまま。動きがいがありそうだ。ずっと長い間論争が続いていて、ホットなのは一時期だけ。冷めているときにマンガ論争2.5読んでね

メイザーズぬまきち講演会 メモ8「質疑応答」

CrossDaysの雑誌に載ったCGが製品版にない件

(質問者)校庭やバスケットコートでの、路夏のHシーンが減っている
(ぬ)基本的に制作状況として、時間がたりなかったのではない。売れっ子の役者さんの時間が取れず、その間に線や話を追加している。そこで組み込めなかったのは光のHシーン。(質問者が挙げたシーンは)私の知らないシーン。当時の制作にかかわっていた人がやめてもういない。HDDにも見つからない。ぶっちゃけ、当初はCGだけのプレスリリースだから

ショップ特典について

(質問者)ショップごとの特典があるからか、未開封中古が中古店で並んでいる。ショップ特典をつけない持たない構造なのか
(ぬ)日本的な構造で、明らかな悪者がいない。最初はメッセ、SOFMAPが始めたものが、いつのまにか「売れる店のステータス」に。売ってあげるんだから特典つけろが当たり前の雰囲気。そこをあえて崩すリスクをできるかというとできない。できないから乗っちゃってだれも止められない空気。よくないとは思っている。R−18禁ゲームの販売列に並んでいるときに「俺はリトバスを37本買ったぜ!」という会話を聞いてこれはダメだと思った
(ひ)販売手法としてファンディスクがあるが、売れているのか
(ぬ)必ずしも作るわけではない。CrossDaysで作るかというと、作りたい気持ちはあるけど。前作そのままの設定で比較的説明無しで作れて楽。同時に、絶対にオリジナルを越えることがない。頭の労力を減らすか、バンと売れることを捨てるか
(ぬ)世界観に対するファン・制作者の思い入れがあって、思いやりのファンサービスとして生まれるのではないか。OVAやTV版総集編も。

海外コンテンツ事情

(台湾?から来た質問者)昼間氏の話のなかに売り上げはそこまでではないという話があったが、ファンは結構いる。日本と同時にアニメを放送している局もある
(ひ)インドネシアまで衛星放送でアニメ見れるが、日本ほどではない。ポケモンドラゴンボールで生まれたファン層が成長途中にある
(ひ)アメリカは国が広くて流通コストが皮無。万国同じ物を好きになったりしないのだから、国ごとに売り方を変える必要がある。
(ひ)フランスは徐々にファン層が増えている。80年代に日本のアニメを流していたのがここにきて、アニメ雑誌も5万部突破。継続的にアニメを見させる手段はあるか
(ひ)ジャンプ、ヤンジャンビジネスジャンプといったコースが海外ではそこまで整っていない。日本もマンガがきつくなってきている。「老人ジャンプを作っておけばよかった!」という声もある。海外では何歳ぐらいの、どんな職業が見ているのかといった市場調査を実施し、そこから売り方を考える必要あり

R−18禁ゲームの海外展開について

(ぬ)海外でも出せる土壌を作るべきだ。海外みんながエロ=ダメではない。ここまでは行けるというローカライズを考えてこれからは作るべき。怖いのはソフ倫がパニックになること。海外バッシング怖いブロックしようではなく、何が悪いと思っているのか話し合って詳らかにして、一人でも多くの人が遊べる状況を作るべきだ

コンテンツ研究会 杉野氏

(杉野氏)3人を今後の集会、賛成派の説得に借り出してもよいか
(ひ)集会が非常に多くて時間が重なって取材ができない
(杉野氏)都のアクションに合わせて空いている会議室とっちゃえ的な動きをしてるため重なってしまう。

他人にR−18禁ゲームについて情報発信をする際に心がけること

(ひ)説得力を持つ人間になること。こんなに勉強しているんだったら信じてもいいか……という状況にする。R−18禁ゲームについて分かんない人が多いので、徐々に違いますよ、と言っていけば分かるかもという希望を持っている
(ぬ)みんな資料を入手して知識を共有してゆこう。最近はインターネットが便利なので論文も読める。自分がゆるがないようにする
(よ)成人向けコンテンツは好き嫌いがあるので、説得の仕方が問題になる。巨乳キャラ最高!ではダメ。やりこむとストーリーが複雑で……みたいな
(よ)周りから攻めるという手もある。今後、R−18ではないゲームも作ってくれるはずだから
(ぬ)……いい傾向じゃないと思っているのだが
(ひ)『ラブ・アゲイン』おばさんの同窓会があって、仲良くなった元同級生の刑事に会いに行ったら犯人にナイフで刺される現場に遭遇したってこれエロゲ?
(よ)ちゃっとやって、やった気になって「批評」する人が増えている。「批評」してすっきりする段階の次がある。この話何が面白いんだ。なんでこんなに売れているのか。それが積み重なって資産になる。暇がないという現実は別として、食いついたら骨までしゃぶる、そこまでして面白いゲームもある。やりこんで自信を持って面白いと思えるものを見つけよう
(ぬ)最近は社内でも諦めて(こういった真面目な話を)聞いてくれるようになった。皆さんがこういう話を聞いてくれることが嬉しい。ここから踏み込んでR−18ゲームに対する誤解を解けるように話が広まっていけばいいと思う

メイザーズぬまきち講演会 感想

メモ6からあたりが腕が痛くなって、メモ8は自分でも半分は読めなかったりするのでだいぶ記憶で補っています。こんなこと言ってない!というほどはねじ曲がってはないと思いたいのですがすみません。

個人的に耳にいたかった発言その1は、昼間氏のtwitterで間違った情報が流れていることも多いという発言。ここtwitterで数日間違った情報を流しているので……。@さんや@さんの訂正には感謝しています。

もう一つは、吉田氏のちゃっとやって、やった気になっている人という発言。最近はゲームを一通りプレイすることが精一杯で、SS書くほど書けるほどやりこんでいない。
そもそも年のせいかタイトルを覚えていない体たらく。好きなゲーム欄に『素晴らしき世界』が思いつかなくて『終ノ空』と書き、『いつか、届く、あの空に。』『きっと、澄みわたる朝色よりも、』が思い出せなくてひよゲー、お朱門ちゃんのゲームと書いたのは私です。つか重複してるよ気付よ俺!
ゲームの購入本数が減ってきているのにやるこむことがないってのはダメにもほどがある。意地でも『素晴らしき世界』のSSは書いてやる……。

月の諸国諸帝国の脚注(129)に絡めて、Rabbit-Holeに落ちたゲロ卓が希実香を探すけれど、そこはLooking-Glass後日談的な世界で希実香が皆守ラブな世界、的な。ゲロ卓を出す構成力がないかもしれないけど、希実香が皆守ラブなのは確実だ。太陽の諸国諸帝国を読んだら書く、きっと、おそらく、だといいなあ……