コンビニから成人向け雑誌がなくなったはずなのになくなっていない。おかしい。いや、おかしくない。
この番組では性的な惹句が表紙にある雑誌を「成人向け雑誌」と呼んでいるのですが、そのことに対する説明が不明確です。そのため
4:58(水野優望)このエトセトラVOL.1を読んだりして、ここでもなくなるって言っているよね。とか、これからなくなるからやったー、みたいなことが書いてあるよね。と言いながらおかしいねおかしいねと
という発言がなされることになります。表示図書と包括指定の話が分かっていれば、性的な惹句を指標とした場合にこの番組が言う「成人向け雑誌」がコンビニからなくならないのは当然です。
このタイミングで青少年健全育成条例で規制されるもの、されないもの、後者のなかに私たちは成人向け雑誌として扱うべき(コンビニでは扱うべきではない)ものがあると主張する、といった内容を図で示すとよいでしょう。
青少年健全育成条例の規制対象に含まれないものであることは佐藤(仮名)氏が話してはいます。ただ、上記の「おかしいね」と結び付けて語っていないため、よく知らない人は「コンビニから成人向け雑誌がなくなったはずなのになくなっていない。おかしい」と素直に受け入れるのではないでしょうか。
そもそもエトセトラVOL.1にはP8脚注などで「コンビニにおける成人向け雑誌」の定義が明記されているため、おかしいと思うはずがないのです。佐藤(仮名)氏もただしく理解しています。
本番組は意図的に「成人向け雑誌」の定義をあいまいにして語っていると私は判断します。
主張はゾーニング、は疑わしい
6:29(佐藤(仮名)) ゾーニングをして欲しいだけです。なので、老若男女すべての人が来るコンビニで雑誌、その雑誌のその表紙を全員に向けて陳列しないで欲しいなと思っています。 22:12(佐藤(仮名))ゾーニングについてなんですけど、この世に存在していいかどうかと、全年齢向けにコンビニ等で売っていいかどうかとは、別問題だと思います。
佐藤(仮名)氏のプレゼンははじめにゾーニングについて表紙が問題であると主張していますが、締めの段階ではコンビニ等で全年齢向けに売ってはいけないという主張に変わっています。後者の成人向けの基準が誤っているという指摘はゾーニングの主張から外れかけていますが、司会者からの言及はありません。 なお、佐藤(仮名)氏は後編で次のように主張します。ゾーニングをして欲しいだけ、とは受け取れません。
14:06 (佐藤(仮名))成人向け雑誌という陳列がされている雑誌についてもスペーサーというものが本棚のところの特定のスペースだと分かるようにスペーサーが設置されていたりしますけど、私はエロ本はここだよと主張しているだけにしか見えなくて。18歳未満の方の目に触れてはいけないという目的を全く果たしていない。
公共の場か否かがポイントですか?
22:52(水野優望)異様ですよね。公共の場のはずなのに、その一角で本当にいち嗜好というかフェティシズムと言ってもよいものかつ暴力的で性差別的なものなので、取り扱いの要要要注意なものがあたかも普通かのように堂々と繰り広げられている異様さみたいなものを本当に感じています。
コンビニは老若男女が行きかう場所ではありますが、ふつう公共の場とはされません。また、私有地――たとえば書店では性的な惹句がOKなのかといえば、後編で書店ではゾーニングがきちんとされていると水野優望氏が褒めているのでNGでしょう。 公共の場か否かではなく、特に未成年が訪れる頻度がこの番組における判定基準だと思われます。公共の場(もしくは、後編において言及のある公共的な場所)を理由として語るのはフェアではないでしょう。
印象操作
16:10 (佐藤(仮名))コンビニの雑誌コーナーの雰囲気を共有したくて、ちょっとたくさん雑誌を、 16:18(水野優望)まさにこういう雰囲気ですね。 16:22(佐藤(仮名))コンビニだと雑誌と雑誌が高さにひな壇の様になって重なっているので雑誌の下半分が見えていない雑誌はたくさんあると思うんですけど、表紙を丸出しにして並べるとこういう感じでこういう売り場の前を私たちは毎日の様に通り過ぎて、この前を小学生も中学生も高校生も毎日通り過ぎているっていうの、みんな当たり前の日常だと思っているかもしれないけれど、すごくヤバイと思うんですよ。
以上の会話はコンビニの雑誌14冊の表紙を列挙した画面を見ながら行われています。話者自身が認識しているように、現実のコンビニでは雑誌の下半分が見えなくなっています。雑誌コーナー自体が縮小される傾向にあり、表紙まるごと見えるのは1,2冊でしょう、それを「こういう売り場の前を私たちは毎日の様に通り過ぎて」いると語るのは印象操作です。
新日本婦人の会の調査 報告基準が不明
28:07 コンビニおいてある雑誌名と置いている店舗数の一覧。ヤングジャンプ、ヤングチャンピオンなどの青年コミック誌あり
新日本婦人の会が予備調査として行った「成人向け雑誌」の一覧に青年コミック誌が含まれています。水着姿の女性が表紙になっていてもエロ系の惹句はないものと思われます。本調査では調査員が誤解しない設問を期待します。