クドわふたー

最近、つまりは、リトバスエクスタシー以降のKeyについてどう思いますか? キャラソンやコンサートなど、これまでにはなかった信者に金を使わせようとする雰囲気があってあまり好きではありません。自分たちが作成した物語というパッケージに対してのみユーザーからの代価を頂きます、といったストイックさが好きだったのですが。これはそういった懐古主義の人間による感想です。(あ、でもコンサートは最高です。また行きます。)

『くどわふたー』は理樹とクドがひたすらいちゃわふする第一部「くどわふたー」と、泣きを狙った第二部「クドアフター」で構成されています。第二部はさらに、第一章「After」、マイルハイロケットを作る第二章「way to the mile high」、風船を作る第三章「Icarus」に分けられます。

不満点その1。第一部は、新キャラの有月姉妹が親との確執を解消するという展開なのですが、テンプレ通りでストーリーに意外性がありません。有月姉妹の存在をなかったことにしても第二部は成立するため、全体として見たうえで第一部を描く必然性がありません。

不満点その2。第二部第一章と第一部の内容が95%同じ。スキップが有効なので時間的に損をすることはないのですが、それなら第一部と第二部を分けなくてもよかったのではないかと思うのです。これ、第一部の理樹がエロすぎるため理樹=エロいダメ人間という構図を一度リセットする必要があるからです。エロをなくして第一部を統合した方がすっきりします。

不満点その3。第二章はマイルハイロケットの制作にとりかかったクドは一度失敗し、改良点を加えた二度目では成功する――落として持ち上げる手法でプレイヤーに達成感を与えておきながら、一時間未満でマイルハイロケットでは高度が低すぎると登場キャラクターに否定されてしまいます。第二章はクドがテヴァ時代から成長したことを示すエピソードとして必要ではあるのですが、盛り上がった感情を和らげるクッションなしに否定されるため虚脱感が漂います。

最終的に泣かされたという点で言えばさほど今後に不安を抱かなくてもよいのかもしれませんが、ストーリーの構造的に無駄や粗が見えるのは、今後に期待と言うことで。

ラストのご都合主義はいつものことですが、どこまでもファンタジーな奇跡がKeyの持ち味だと思うのに今回はやけに物理的だ。

あ。snow-windさんの感想読んで気づいた。第一部ではシナリオのキーになるように見えた理樹の進学問題がどこかに雲散霧消している!


カレーパーティでの貧乏ネタって必要ないよね……