児童売買、児童搾取および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の履行におけるガイドライン案(仮訳)

コメント募集中

子どもの人権委員会は現在、児童売買、児童搾取および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の履行におけるガイドラインの準備を進めています。 同委員会はあらゆる人が現状のガイドライン案にコメントするよう勧めます。コメントはガイドライン案のあらゆる側面について歓迎します。また、提供された情報を十分に検討した後、委員会はガイドラインの最終版の内容を決定します。

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ガイドライン案はここで入手できるでしょう。 https://tbinternet.ohchr.org/_layouts/treatybodyexternal/Download.aspx?symbolno=INT/CRC/INF/8870&Lang=en

I.はじめに:最近の動向とOPSCの履行におけるガイドラインの必要性

子どもの売買および性的搾取に関する最近の動向

1.1989年に採択された児童の権利条約(CRC)と、2000年に採択された児童売買、児童搾取および児童ポルノに関する選択議定書(OPSC)は、子どもの権利を促進し、保護し、販売、性的搾取および性的虐待から子どもを保護するための最も包括的な国際法文書を表します。 しかし、これらの条約は、情報通信技術(ICT)1、特にインターネットがそれほど発展し普及しておらず、子どもに対する性的犯罪が今日ほどはデジタル環境と密接に関連していない時代に採用されました。CRCとOPSCの両方はデジタル環境にも関連性があり適用可能ですが、条約を履行するために取られた具体的な措置が現在および発展している慣行に合わせて容易に適用可能であり最新版であることを確実にするために、それらの規定は今日の現実に適応した解釈を要求します。

2.過去数年間のICTの急速な発展と普及は、人間の進歩を加速し、不平等を減らす大きな機会を提供しています。同時に、この発達はより多くの子どもたちを売買や性的搾取の危険にさらしています。ICTは性犯罪者に新たな道を切り開きました。 性的目的のために子どもたちとつながり、子どもたちを勧誘するため(「グルーミング」)、ライブビデオストリーミングを介しオンラインでの子どもの性的虐待を閲覧および参加するため、いやらしいメッセージや卑わいな画像を送信すること(sexting)から作られた自己生成コンテンツを含む子どもの性的虐待物を配布するため、子どもの性的強要を企てるため。さらに、これらのテクノロジは、攻撃者がダークウェブ上の暗号化されたネットワークを使用して匿名性を維持しながら、情報に接続し共有する機会を提供します。最近の報告は、sw時たるメディアの使用を通じた子どもの性的搾取に関して警戒すべき傾向を示しています。子どもに性的な関心を持たないが、経済的利益のために子どもの脆弱性を悪用する機会を利用する個人による犯罪の増加が含まれます。多くの子どもたちが非常に弱い立場にある紛争やその他の人道的災害によって引き裂かれた地域を含めてインターネットアクセスがかつてないレベルで拡大している世界では、子どもが性的に搾取されたり、商品として売買されたりするリスクはますます高まっています。

3.さらに、グローバル化とモバイル化が進む世界では、旅行や観光の観点において子どもを性的搾取することがますます大きな脅威となっています。国境を越えて移動しているか自国内を移動しているかにかかわらず、旅行する子どもへの性犯罪者は多くの場合、ダークウェブ上の匿名の連絡先のネットワークを使用することによって、脆弱な状況にある子どもたちへのアクセスがより簡単になっています。2

4.子どもに対する性犯罪のジェンダーの側面は、OPSCの履行にとって別の重要な側面を表しています。被害者の大多数は女児ですが、最近の調査では、オンラインでの子どもの性的虐待物に描かれている子どものかなりの割合が男子であることが示されています。さらに、少年たちが描かれているときには、虐待は性的倒錯的なテーマを含む可能性が高いことが研究によって示されています。3 これは反応メカニズムの開発において考慮される必要があります。さらに、同伴者のいない男性の子どもの割合が比較的高い子どもを含めた、性的搾取に対して脆弱な移民や難民の子どもの最近の増加はまた、ジェンダーの側面を配慮した的を絞った対応も必要です。性的搾取や性的虐待の犠牲となっている男児のための支援体制はまだ非常に乏しいのです。

5.最近の技術の進歩は、多くの性犯罪者が子どもに対して犯罪を行う方法に影響を与え、そして性的搾取と虐待の新たな手段と兆候を引き起こしました。これらの兆候を反映し説明するために、「グルーミング」、「セクスティング」、「性的強要」、「児童の性的虐待物」といった新しい用語が作られました。

6.同時に、「児童ポルノ」や「児童買春」など、児童の権利に関する国際的または地域的な文書で使用されている用語の一部は、児童保護団体からますます批判されており、徐々に置き換えられつつあります。この変更の背後にある理由の中には、これらの用語が誤解を招く可能性があり、犯罪の重大さを傷つけたり子どもに責任を転換することで、子どもがそのような行為に同意することをほのめかす可能性があるという事実があります。したがって、たとえば、「児童ポルノ」という用語は、それが実際には何を意味するのかを反映して「児童の性的虐待物」、すなわち、性的虐待を受けている子どもたちの記録物(画像、ビデオ、音声記録など)、にますます置き換えられています。子どもたちが受けた虐待を矮小化しないよう、委員会はこの変化を支持します。

7.委員会は、締約国およびその他の関連する利害関係者に対し、子どもの性的搾取および性的虐待の防止および保護に取り組む法律および政策の策定に使用するための専門用語に関して指導するために「児童の性的搾取および性的虐待からの保護に関する専門用語ガイドライン」(Luxembourg Guidelines)4を使用することを奨励します。

さまざまな国際的な利害関係者からの勧告の増加

8.結論の書簡および、No.13(あらゆる形態の暴力からの自由)、No.14(最高の利益)、No.16(事業部門)およびNo.17(休息、余暇、遊びの権利)への一般コメントを含め、委員会はデジタルメディアとICTが子どもたちの生活に与える重大な影響を検討しました。さらに、ソーシャルメディアやICTが子どもの権利に与える影響をさらに理解するとともに、リスクと潜在的な害から子どもを保護しながら子どものためのオンライン機会を最大化するための権利に基づく戦略の策定における子どもの権利の重要性を理解するため2014年の21回目の一般討議の日を「デジタルメディアと子どもの権利」に捧げました。5 国連人権理事会はまた、「情報通信技術と児童の性的搾取」に関する子どもの権利に関する2016年の年次総会を開催しました。6 また最近では、子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表と、子どもの売買および性的搾取に関する特別報告者の両方が、これらの問題に特に注目しています。7 これらのガイドラインは、こうしたリソースに含まれている勧告のいくつかを反映しています。

9.2015年には、総会決議70/1を通じて持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。8 これらの目標を通して、各国は子どもたちに投資するという意思と子ども達が暴力から解放される世界を確保することを明らかにしました。目標5.2は目標5.2は「人身売買、性的およびその他の種類の搾取を含む、公的および私的な分野におけるすべての女性および女児に対するあらゆる形態の暴力を排除する」という目標を掲げています。目標8.7を通じて各国は「強制労働を根絶し、現代の奴隷制および人身売買を根絶し、児童労働者の採用および使用を含む最悪の形態の児童労働の禁止および撤廃を確実にし、2025年までにあらゆる形態の児童労働を終わらせるための即時かつ効果的な措置」をとることを約束します。そして目標16.2では、「子どもに対する虐待、搾取、人身売買およびあらゆる形態の暴力と拷問を終わらせる」ことが公約されました。OPSCを効果的に実施することは、上記の動向を十分に考慮することを含めて、SDGへの到達に貢献することができます。

10.OPSCの履行に関する現在のガイドラインは、国際NGOUNICEF、OHCHR、ILOITUなどの国連の専門機関、子どもの売買および性的搾取に関する特別報告者、および子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表などの専門家を含む、関係する利害関係者との広汎な協議の過程の結果です。協議プロセスはECPAT Internationalによって促進および支援されました。

II.ガイドラインの目的

11.本ガイドラインの主な目的は、締約国によるOSPCのよりよい履行を可能にするために採択されて以来の子どもの売買および性的搾取について開発された知識および経験の増加やデジタル環境の発展に照らして、OPSCの実質的な規定の深い理解を促進することです。

12.委員会は、OPSCの各締約国が、その国の状況にかかわらず、OPSCの実施について委員会に報告する義務を負うことを思い起こす。これらのガイドラインはまた、OPSC下で義務をよりよく果たすために締約国によってとられた自発性および努力を支持し強化することを目的としている。締約国の義務には2006年に採択されたOSPC第12条第1項に基づき締約国が提出する最初の報告に関する改訂ガイドライン」に定義されている委員会への報告、および2014年に採択された「子どもの権利条約第44条第1項(b)に基づき締約国が提出する定期報告書の形式と内容に関する条約固有のガイドライン」に関するものも含まれます。本ガイドラインは、委員会の「総括所見」で直接言及されることがあります。

13.委員会は、OSPSを今日の現実に照らして、また子どもに対する性犯罪がどのように実行されるかに従って解釈しなければならない生きている文書(a living instrument)であると見なしています。したがって、これらのガイドラインは、ICTによって促進されるかどうかにかかわらず、効果的な実施を可能にし、子どもの売買および性的搾取からの保護を強化する手段であり続けることを目的としています。

III.履行のための一般的措置

14.委員会は、OPSCの規定の履行の措置がCRC、特に第2,3,6,12条に含まれる一般的原理ならびに子どものプライバシーの権利を完全に遵守すべきであることを強調します。

また、子どもは自分の権利を年齢に応じた方法で知らされること、子どもは自分に影響を与えるすべての事項について自由に自身の見解を表明する権利を有することを要求します。そしてこうした見解には子どもの年齢と成熟度に応じて適切に重要性が与えられます。

15.したがって、締約国は子どもの意見――少女、少年、そのほかのジェンダー/セックス同一性を持つ子ども、身体の不自由な子どもおよび、脆弱または疎外された状況にある子どもを含む――が考慮されること、そしてそして、子どもたちと相談する大人は、年齢にふさわしくジェンダーに配慮した方法で相談を行うために必要な訓練とリソースを持つことを確実にすることで、立法および政策措置の起草プロセスに子どもの参加を含めるよう努力するべきです。さらに、OPSC条項を履行するための措置は、ジェンダーの視点を含むべきです。9

A.立法

16.委員会は、OPSCの対象となる犯罪への免責に対抗する差し迫った必要性を強調します。OPSCの履行のための立法措置は明示的に、これらの行為を犯そうとする試みを含め、第3条で言及されたすべての行為を網羅するべきです。性的搾取のためだけではなく、臓器の譲渡、強制労働への関与、および養子縁組が子どもの売買を構成するような状況のためにも、子どもの売買を禁止することに注意を払うべきです。さらに、立法措置には、自然人と法人の双方の責任を含めるべきでありOPSCの対象となるすべての犯罪に対して域外管轄権を確立するとともに(第4条)、引き渡し(第5条)と、商品の押収と没収(第7条)のための正確な条件と規則を定めるべきです。

17.立法は免責との闘いに不可欠ですが、性的搾取および性的虐待の事件に対処し被害者を保護するためには、救済へのアクセスを確保し、子どもに敏感なで機密性の高いで安全なカウンセリング、報告、および苦情メカニズム10 の利用可能性を確保することも重要です。

18.委員会は、国境を越えて売買および/または人身売買された子どもを含めて、国内法がいかなる方法においても、売買、性的搾取および性的虐待の被害者を犯罪者として扱わないことを確実にするよう要請します。

19.さらに、委員会は、その適用性が将来の技術開発によって損なわれないようにすると同時に、新しい形態のオンライン性的搾取を含む新たな懸念に関連する抜け穴を回避するための技術的進歩を考慮に入れることができるようにするため、締約国は可能な限り「技術的に中立」な法的枠組みを確立することを勧告(recommneds)します。

B.データ収集

20.信頼性が高く正確に構成要素に分会されたデータはOPSCの効果的な履行、および子どもの売買および性的搾取の帽子と撲滅のために非常に重要です。11

21.委員会は、締約国に対し、OPSCがカバーするすべての問題を含むデータ収集、分析、監視、影響評価、および配布のための包括的かつ体系的なメカニズムを開発し実施するよう要請します。重要なことは、データ収集は国家統計局を含むすべての関係者間で調整されるべきであり、異なる国家機関間のデータが首尾一貫せず矛盾することを避けるために集中化されるべきである、ということです。委員会は、特に締約国に以下のことを勧告します。

  • (a)データへの細分化されたアプローチを実施し、これらの犯罪が子どもたちのさまざまなグループに影響を与える方法に対処すること。最低限、データは性別、年齢、そして搾取の形態によって細分化されるべきです。可能であれば、委員会は、締約国に対し、出身国、民族的出身、地理的位置、社会経済的地位、および障害によってデータを分類するよう奨励します。

  • (b)子どもがデジタルおよびソーシャルメディアにアクセスして使用する方法、子どもの生活と安全に与える影響、そして子どもがICTにアクセスして使用する際の回復力に影響を与える要因に関するデータを収集すること。

  • (c)報告された事件の数(警察およびその他の既存の報告メカニズムを含む)、起訴、有罪判決および制裁、ならびに犯罪の性質によって分解された被害者への補償に関するデータを収集すること。オンラインおよびオフラインでの活動、加害者のカテゴリ、および被害者の上記の特性に関する情報を含む。

  • (d)国内の地域または地方レベル(例えば自治体)でデータが収集される場合に備えて、共通の指標および標準化されたデータ収集システムを開発すること。

  • (e)すべてのデータは子どものプライバシーの権利を尊重して収集されるべきです。

22.委員会はさらに、収集されたデータはOPSCを履行するための方針と戦略を設計し評価するための基礎として分析し使用すべきであることを強調します。

C.総合的な方針と戦略

23.締約国は、包括的かつ学際的な方法で、OPSCが網羅するすべての問題を明示的に含む国の包括的な方針および戦略を策定するべきです。そのような方針と戦略は、子どもの権利を履行するための、暴力から子どもを守るためのより広範な国家行動計画(NPA)の構成要素、もしくは別の特定の文書であるかもしれません。

24.民間部門に関して、委員会は、締約国に対し、子どもの保護に関する方針や戦略を強化することができる金融機関、銀行および電気通信事業者、インターネットプロバイダ、旅行および観光産業ならびに非政府組織が果たす役割にさらに注目するよう奨励します。そして、そのような政策や戦略の起草や実行にこれらの当事者を適切に含めるよう推奨します。

D.調整、監視および評価

25.締約国は、OPSCの実施に関連するすべての活動の調整を担当する国内メカニズムを指定すべきです。この調整メカニズムは、訴訟の照会のための枠組みを確保し子どもの被害者を効果的に支援することを含めて、OPSCを具体的に実施するための明確な権限と、分野横断的・国家的・地域的・地域的レベルで調整するための十分な権限を持たなければなりません。すべての関連する利害関係者との協力を含むべきメカニズムは、子どもの権利の行使の調整、より具体的には子どもの性的搾取の根絶のための省または国家機関の任務の一部であるかもしれません。

26.政策および戦略の実施状況を定期的に関しおよび評価し、必要に応じて政策および戦略を調整するためにその結果を利用するべきです。評価は公表されるべきです。

E.リソースの割り当て

27.委員会は、締約国が本ガイドラインに詳述されているOPSCの実施のための具体的かつ明確な予算配分を確保するよう勧告します。子どもの権利の実現のための公的予算に関する委員会の一般的意見(General Comment)No.19(2016)に記載されている助言にも留意してください。

28.履行措置の重要な部位として、締約国はOPSCの規定を履行するために設計された政策、戦略およびメカニズムに割り当てられた人的技術的財政的リソースの全てを割り当てるべきです。特定の資源は、検出と報告のメカニズム、犯罪捜査、法的支援、補償、およびOPSCの対象となる犯罪の被害者の身体的および心理的回復と社会的再統合を担当する事業体に割り当てられるべきです。

F.普及と意識の向上

29.OPSCの履行を促進し支援するために、この法的文書に関する情報は、国、地域および地方レベルで広く配布されるべきです。目的とOSPC条項の理解を深めるために、締約国は以下のことを行うべきです。

  • (a)OPSCの対象となるすべての犯罪の予防措置および有害な影響に関する長期的な教育的プログラムおよびキャンペーン、および啓発プログラムおよびキャンペーンを開発し、実施すること。

  • (b)OPSCの規定に関する情報を国、地域、地方レベルで行政関係者に体系的に広めること。教育、健康、社会福祉、司法、法執行部門のようなすべての関係する専門グループ、スポーツや文化、余暇活動、旅行、観光の分野に携わる人、その他の子どもと定期的に接触するすべての人々にも体系的に広めること。情報資料は視聴者に合わせて調整されるべきであり、子どもは年齢に適した、子どもやジェンダーに配慮した情報を受け取るべきです。

  • (c)すべての人、特に子どもの世話をする人が、さまざまな形態の性的搾取および子どもの虐待について適切な知識を持っていることを確実にすること。また、さまざまな形態の性的搾取および子どもの虐待を検出し被害者を特定する手段、ならびに既存の報告メカニズムについて適切な知識を持っていることを確実にすること。および、子どもが被害者であると信じる合理的な理由があるときはいつでも、被害を検出し被害者を特定する手段ならびに既存の報告メカニズムを使用する方法について適切な知識を持っていることを確実にすること。

  • (d)OPSCの規定に関連する問題が学校の教育課程において教育システムのすべてのレベルに含まれること。特に、小学校および中学校の子どもたちは、性的搾取や虐待の危険性、および身を守るための手段について学ぶために、特に子どもたちのために作られた適切な教材を受け取るべきです。教育プログラムには、子どもが助けや支援を求めるため、そして性的虐待を安全かつ内密に知らせるための具体的で実用的な方法に関する情報が常に含まれるべきです。 情報は両親と連携して提供されるべきです。

  • (e)正式な学校制度の範囲外であり、売買や性的搾取に対してより脆弱な状況にある可能性がある子どもをも対象とし、到達するための措置を講じること。

  • (f)子どもの犠牲者や子どもの証言者のプライバシーとアイデンティティを常に保護しながら、適切な用語を使用して、子どもの性的搾取のあらゆる側面に関する適切な情報を提供するようメディアに奨励すること。

G.訓練

30.家族や介護者への支援だけでなく、関連するすべての専門家の教育や継続的な訓練の提供は、OSPCの履行のためのあらゆる国家政策および戦略の不可欠な部分であるべきです。締約国は次のことを行うべきです。

  • (a)OPSCの規定とその実施に関する体系的で的を絞った訓練を確実に行うこと。これには、子どもとまたは子どものために働くすべての関連する専門家およびグループに、OPSCの対象となる犯罪を特定し対処する方法および、子どもの被害者やサバイバーを扱い際の子どもや買春取扱い方法を促進する方法を含みます。

  • (b)そうした訓練に、子どもの被害者やサバイバーと共に活動しているもしくは代理として活動している関係する団体や専門家との協議で開発された学際的なプログラムが含まれるようにすること。

  • (c)非政府組織との協力と戦略的パートナーシップを強化し、彼らの専門性や支援運動を子どもやその家族のオンラインにおけるリテラシーや安全を広げるために利用し、危害への対応を促進すること。

  • (d)被害者を効果的に特定しOPSCの対象となる犯罪から子どもを守るために、習得した知識や技術が実践に反映されていることを確認するために訓練活動の定期的な評価を実施すること。

31.専門的な訓練を必要とする特定のグループに関して、締約国は以下のことを実施すべきです。

  • (a)スポーツや文化活動を含むさまざまな形態の子どもたちの教育に携わっている教師やその他の専門家が、これらの問題について子どもたちと効果的に教え、話すことができるように適切な訓練を受けるようにすること。

  • (b)兆候を検出し、報告し、子どもおよびジェンダーに配慮した方法で対処するために、性的虐待の兆候に最初に気付くことが多い医療従事者、およびソーシャルワーカー、児童福祉と児童保護の専門家を訓練すること。

  • (c)子どもとジェンダーに配慮した方法で子どもの犠牲者を扱い、デジタル証拠を処理しその重要性と価値を評価するため、ならびに新技術に関連した子どもの性的搾取や虐待事件をよりよく理解するため、ICTの使用に関連する事件を含めた子どもの性的搾取および虐待を捜査する警察部隊、検察官および司法を訓練すること。

IV.児童の売買、児童買春および児童ポルノの防止

一般的な対策

32.OPSC締約国は、OPSC第9.1条で言及されている犯罪を防止するための法律、行政措置および社会政策およびプログラムを採用または強化、履行、および発信する義務を負っている。

33.子どもの売買および性的搾取を防止するに当たり、締約国は有害な社会規範など、これらの問題の根底にある根本的な原因に注意を払うべきです。特に、問題を永続させるのに貢献するかもしれず、特別な意識向上策を必要とする、男らしさとジェンダーに関連した複雑な概念に関しては注意を払うべきです。これらの犯罪の根底にある重要な側面は、性犯罪者と経済的利益者の両方に存在する、性的搾取と虐待を目的とする子どもの需要にあります。

34.委員会は、締約国に対し、ジェンダーの側面に十分な注意を払いながら、OPSCの対象となる犯罪の犠牲者になる危険性のある子ども――特に、移住者や難民の子ども、路上の子ども12、家事労働者の子ども、LGBTIの子ども、代理人が保護する子ども、自由を奪われた子ども、経済的に弱い家族の子ども、社会的排除または孤立を経験している子ども――を特定、支援、および観察するために必要なすべての措置を講じることを勧告します。また、予防プログラムと潜在的犠牲者の保護を強化することを勧告します。そのために、締約国は次のことを実施しなければなりません。

  • (a)これらの犯罪を防止するための効果的かつ的を絞った立法上、政策上および行政上の措置を開発および採用する目的で、OPSCの対象となる犯罪の性質、程度、根本原因および子どもへの影響を分析および評価するための研究を実施すること。

  • (b)脆弱な家庭を経済的に強化することを可能にするために、所得創出活動を含む社会的保護と財政的支援を提供すること。

  • (c)すべての有害な行為を防止し終結させ13、早期の結婚および強制結婚14などの子どもの売買、性的搾取または性的虐待につながる行為に特に注意を払うこと。少年と少女に影響を与えるさまざまな慣行が適切に対処されるようにするために、有害な慣行の防止にはジェンダーの視点が必要です。

35.子どもの売買、性的搾取および虐待の防止における重要な一般的措置として、締約国は子どもと直接接触するであろう仕事への就職を申請するすべての人物を審査(screening)することを義務づけるべきです。まだならば、有罪判決を受けた性犯罪者の登録の確立を検討すべきです。

36.締約国は、民間部門の関係者がOPSCの対象となる犯罪の予防と闘いにおいて積極的な役割を果たせるようにするための措置をとるべきです。

旅行や観光の状況における子どもの売買と性的搾取の防止

37.旅行と観光の状況における子どもの性的搾取(SECTT)は懸念が高まっている問題です。調査によると、子どもたちは国境を越えて計画的な虐待を実行する旅行犯罪者による性的搾取および性的虐待の危険にさらされています。しかし、子どもたちは自国で仕事や観光に出かけている犯罪者だけでなく、旅行中に性的犯罪を実行することを計画していなかったかもしれない「日和見主義」犯罪者の犠牲になる危険性も同様にあります。15旅行や観光の状況を隠蔽や口実として使う違法な養子縁組が行われることもあります。

38.旅行や観光という特定の状況で発生するこれらの犯罪を防ぐために、締約国は少なくとも以下の措置を講じるべきです。

  • (a)SECTTの有害な影響に注意を向けるために、旅行業界および観光業界と意識の向上と権利擁護の行動(advocacy action)に取りかかること。とりわけ、世界観光機関の観光のための世界倫理綱領の署名を広く普及させ奨励すること、旅行や観光における性的搾取から子どもを保護するための行動規範を推進すること。16

  • (b)旅行業界や観光業界との連携を強化し、例えばSECTT防止のための明確な企業方針の採用や実施などを通じて業界が責任を持つようにすること。

  • (c)SECTTとICT部門との関連性は強く、締約国は、SECTT関連の犯罪に対する支払いの阻止やSECTTの犯罪者やその仲介者のビジネスモデルを弱体化させるため支払いを追跡する新しい技術といった、SECTTと闘う技術ベースの解決策の開発を主導できるICT企業と手を組むべきです。

  • (d)これらの犯罪の多国籍性は、例えば、国境を越えた情報交換、旅行制限、または同様の措置を通じて、有罪判決を受けた子どもの性犯罪者が他の国々で再犯するのを防ぐための措置も検討しなければならないことを意味します。

    オンライン売買および性的搾取の防止

39.オンラインの売買、性的搾取および性的虐待は、特別な注意が必要な増加の一途を辿っている現象です。締約国は、オンラインの売買、性的搾取および性的虐待を防止し対処するための具体的な考慮事項を自国の政策および戦略に取り入れるべきです。国内の法的枠組みもまた、ICTを通じて実行および/または促進される場合にも、売買、性的搾取および性的虐待のすべての兆候を適切に網羅していることを確実にするために評価されるべきです。

40.これらの犯罪をよりよく理解するために、オンライン特有の分析、調査および監視を実施する必要があります。 また、オンラインの売買、性的搾取、性的虐待への対応は関連する業界や団体と密接に連携して進展されるべきです。

41.子どもの売買、性的搾取および性的虐待に関する意識、知識および事件の報告を工場させるための教育プログラムには、オンライン特有の側面が含まれるべきであり、警察官、弁護士、検察および司法専門家のための専門的訓練には、オンライン問題に関する特定の部分を含める必要がありますが、被害者の識別技術と救助活動を容易にするためのオンラインツールも含めなければなりません。

42.親や教師といった大人がオンラインのリスクを軽減するよう子どもたちを監督するという一般的な期待がありますが、委員会は締約国もまた、子どもを性的搾取および性的虐待から保護する義務があることを思い起こします。これは、家族や子どもの信頼の輪の中にいる人が子どもの性的搾取や性的虐待に関わっていることが多いという研究を考えると特に重要です。17特に、締約国は次のことをすべきです。

  • (a)デジタル能力の向上やデジタルリテラシーなどを通じて、子どもたちがICTにアクセスして使用するときに子どもを支援し、助言し、そして保護することができ、オンラインの安全戦略と対処戦略を採用する能力を養うことを手助けすることができるよう、保護者や教師、そのほかの介護人に情報を提供し、支援し、協力すること。

  • (b)プライバシーのリスクや自己生成コンテンツを共有することのリスクを含めた子どもが遭遇するかもしれない危険を回避し適切に対処すること、必要に応じてオンラインのレポート作成ツールを使用することを支援することで、害から子ども自身(およびその仲間)をよりよく守れるように、子どもの能力を向上させるためのオンラインでの行動と安全性に関する義務教育を確実に行うこと。

  • (c)他人による子どものデータの収集方法・保存方法・使用方法・潜在的な共有方法について、また、個人データを保護し適時で効果的な警告メカニズムの使用についての方法を含む保護戦略について、子どもやジェンダーに配慮した有意義な情報を提供すること。

  • (d)搾取的行動についての子ども自身の考えや知識、そしてそれらを阻止する方法、疑わしい行動を報告する方法を共有することを奨励することで、新しい技術やソーシャルメディアを使って子どもたちを巻き込み、力を与えること。また、防止戦略や保護戦略において子どもの提案を考慮にいれること。

  • (e)子どもや大人が疑わしいオンライン行動や性的搾取や虐待の事例を報告したときはいつでも、適切なサービスと専門知識が効果的に整備され、迅速に対応できるようにすること。

43.画像やビデオなどの児童の性的虐待物がインターネット上でいつまでも流通する可能性があることを考慮して、委員会は締約国に次の事実を警告します。子どもの被害者に対する危害が永続することに加えて児童の性的虐待物の継続的な流通は子どもたちを性的対象として捉えるサブカルチャーの促進に貢献し、子どもに性的な興味を持つ人たちが持つ、多くの他人が同じ興味を持っているのだから「普通のことである」という信念を強化する危険性を促進することに貢献します。

V.児童の売買、児童買春および児童ポルノの禁止

44.OPSC第3条の履行には、OPSCに含まれるすべての犯罪を禁止する実質的な刑法の採択が必要です。委員会は、第3条の遵守は各締約国がその国内法制度および慣行の詳細を考慮に入れなければならない問題であることを認識しています。

45.第3条は、締約国に対し、国内で実行されたか国際的に実行されたかは関係なく、条項に明示的に含まれるすべての行為が最低でも刑法もしくは刑罰法規ですべて対象にされることを要求します。これは、締約国は、子どもへの性的犯罪を実行するための新たに出現した他の手段や方法も犯罪とすることが可能であることであることを意味しています。また、委員会は締約国にそうすることを奨励します。

46.委員会は、締約国に対し、OPSC第3.2条に従い、以下の行為を犯罪とする義務は、そのような行為を犯そうとする試み、およびそのような行為への共犯または参加にも適用されるものとする。

47.児童売買はOPSCによって、報酬またはその他の対価と引き換えに、任意の個人(例:親)または個人グループ(例:家族)による子どもの他の人への譲渡と定義されています。子どもの別の場所への移動を伴うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。「報酬やその他の対価」は子どもの売買の中心的な要素であり、お金の支払い(報酬)は通常交換の一部です。誰が報酬を受け取るべきかは特定されていませんが、たいていは子どもを別の人に譲渡する人またはグループです。両親の借金を払うためにお金が使われることもあり得ます。しかしながら、子どもの売買には他の理由(考慮)、例えば子どもが教育や職業訓練、またはより良い未来への他の種類の申し出を他人から約束されるようなこともあるかもしれません。

48.第2条に定義される児童売買は、子どもが次の目的で提供、配達、または受け入れられた場合、処罰されるべきです。(第3条1(a)(i)項)

  • (a)性的搾取を目的として。「性的搾取」という用語はここでは定義されていませんが、委員会は、この法的規定はICTを通じて促進される場合も含めた、あらゆる形態の性的搾取および性的虐待をカバーするべきであると考えています。

  • (b)利益のために子どもの臓器の譲渡を目的として。譲渡の目的は「利益のため」でなければならないことを明記することは重要です。子どもの臓器の法的譲渡には、営利目的ではない費用がかかる場合があります。

  • (c)強制労働に子どもを従事させる目的のため。18

  • (d)委員会は、子どもを「提供、配達、または受け入れる」ことは、その子どもがICTの使用を通じて提供または受け入れられる状況が含まれるという事実を強調します。

49.子どもの売買と人身売買は重複する可能性がありますが、国際的な法的定義は異なります。委員会は、OPSCに従い、締約国は明示的に、上記のすべての目的のために子どもの売買を犯罪とする義務を負うことを強調します。

50.第3条第1段落(a)(ii)は、児童売買の一形態として、「養子縁組に適用される国際法に違反する子どもの養子縁組のために、手段として不適切な同意を促すこと」を犯罪にすることを要求しています。この活動を禁止することを意図した規定は、次の重要な要素を反映するべきです。

  • (a)養子縁組への同意を不適切に誘導すること。具体的には、子どもの養子縁組について、不正または不適切な方法で同意を得ることを意味します。子どもの販売の定義(OPSC第2条)に照らして、「不適切に同意を誘導する」の要素は、報酬またはその他の対価を通じて養子縁組への同意を不適切に誘導することです。

  • (b)養子縁組に関する国際的な法的文書に違反していること。この要素について、委員会は、締約国に対し、CRC第20条に定められている規則の遵守を求めるだけでなく、児童の保護および国際的養子縁組に関する協力に関するハーグ条約の規定(1993)も遵守することを求めるよう勧告(recommends)します。

51.すべての国際法の規定に当てはまるが児童売買を含む養子縁組は、児童売買を禁じる刑法の規定の対象とされるべきです。国際法で禁止されている手段の使用(児童売買)は養子縁組を違法にします。

52.児童の売買は、子どもの売却は、需要主導型のシステムが子どもの権利を危険にさらす危険性があるという関心の領域として浮上している代理人の文脈でも発生する可能性があります。19すべての形態の代理人が子どもの売買を構成するわけではありませんが、特にその商業的形態における慣行がこの効果をもたらす可能性があります。委員会は、締約国に対し、代理人の準備のもとにおいてはいかなる形態の児童売買を回避し、子どもの最善の利益が常に支持されるようにするために、この慣行を規制するよう奨励する。

53.児童買春は、OPSCによって、性的行為が何であるかを明記せずに、「報酬またはその他の何らかの形での対価としての性的行為における子どもの使用」として定義されています。委員会は、「性的行為」は最低でも(本当の行為か疑似的な行為かを問わず)次のものが含まれるべきだと考えています。性器-性器、口腔-性器、肛門-性器、口腔-肛門を含む性交。子どもと子どももしくは大人と子どもの性交。関係者全員の性別とは無関係です。自慰。性的な文脈における加虐的もしくは被虐的な虐待。獣姦。20子どもの陰部(gentials)や恥部(public area)の扇情的な(lascivious)展示。21

54.OSPCにおける児童買春の定義は、その児童が「報酬その他の形態の対価と引き換えに性的行為」に同意することができ、かつその児童が必然的に金銭その他の「対価」の受領者であることを示唆するものとして理解されてはならない。 。現実には、法的に適切な方法で、子どもは自身の性的搾取に同意することはできません。さらに、そのような報酬または対価は第三者に支払われるか与えられることができ、子どもは何も受け取らないことはしょっちゅうで、ないしは「対価」は食料または避難所などの基本的な生存ニーズに限定されます。委員会は、買春で性的に搾取されたすべての子どもは被害者と見なされ、搾取に対して責任を負うことは決してないと強調します。

55.この点に関する誤解を避けるために、委員会は「児童買春」という用語の使用における進展に締約国の注意を惹きます。一般的な見解によれば、この用語は実際に子どもに起こることをカバーするものではなく、アルミでそれが(正当な)形態の「性の仕事」を表すことをほのめかすように解釈することができ、子どもに非難を移すことに貢献します。委員会は、立法上、政策上およびその他の文書で「児童買春」という用語の使用をできるだけ避けることを締約国に奨励し、「買春における児童の性的搾取」22 という用語の使用を提案します。さらに、委員会は、「児童買春者」または「児童セックスワーカー」などの用語を使用せず、児童の売買および性的搾取に関する特別報告者によって提案されているように、23 「買春される子ども」または「買春で搾取された子ども」に置き換えることを推奨します。

56.締約国は、ICTの使用を含め、いかなる形の買春における子どもの性的搾取を法律で禁止すべきです。OPSC第3.1条(b)は、買春のための子どもの提供、入手、調達または提供の犯罪化を要求しています。このような行為は、子どもが報酬やその他の対価と引き換えに行われた場合に、買春において子どもを性的搾取することを意味します。委員会は、そのような報酬や対価が実際に支払われたり与えられたりしていない場合でも、報酬またはその他の形態の対価の約束が犯罪を構成するのに十分であると考えるべきであることを強調します。

57.インターネットは、インターネットは、特に子どもたちがウェブサイトや携帯電話のアプリケーションを通じてk買春の宣伝をされている場合に、国際的な保護の枠組みに新たな課題を提示しています。委員会は、締約国に対し、児童を買春のために提供、入手、調達または提供することを禁止する刑法の規定はICTの使用を通じて行われる状況も含むことを明確にすることを要請します(urges)。

58.買春における子どもの性的搾取には、性的行為が、経済的な生存または経済的な機会、学歴、または社会的地位と関連することが多い現金、商品、または恩恵と交換される商品化された「関係」も含まれます。24このような「人間関係」は、しばしば「トランザクションセックス」と呼ばれ、18歳未満の子どもを巻き込んだ場合、子どもは報酬またはその他の形式の対価が含まれる商業的または商品化された性的行為に従事することに法的に同意できないため、搾取の犠牲者と見なされるべきです。 子どもがこの形態のセックスに同意したという犯罪者のいかなる潜在的な議論も法的に不適切です。

59.旅行と観光における子どもの性的搾取は締約国がこの慣行を終わらせるための措置を取ることを要求するOPSCの対象となる犯罪の一部です。委員会は、旅行、観光、またはその両方の文脈に組み込まれている子どもの性的搾取を指すためにときに使われる「子どものセックスツーリズム」という用語は、ますます国際的な批判の対象となっており、避けるべきであると述べます。この犯罪は、国内外の観光客や旅行者、そして長期の滞在客によっても犯される可能性があります。

60.委員会は、旅行や観光における子どもの性的搾取を促進するICTの利用拡大に懸念を示し、25締約国がこの進展に注意を向けるよう奨励します。さらに、旅行と観光の分野の利害関係者は、この文脈の中で実行された子どもの性的搾取に取り組むための具体的な戦略を開発するべきです。 宿泊施設提供者、旅行代理店、旅行会社、運送会社、航空会社、バー、レストランなどの旅行および観光関係者は、不注意でもそうでなくても、そうした犯罪を働く仲介業者になることがたびたびあります。よって、子どもの性的搾取を防止し対抗するために積極的な役割を果たすべきです。

61.児童ポルノはOPSC第2条に「使用される手段にかかわらず、実際の(real)または擬似的な(simulated)露骨な性的行為に従事する児童の表現、もしくは主に性的目的のための児童の性的部分の表現」として定義されます。「どのような手段でも」という資格は、オンラインとオフラインを問わず、さまざまなメディアで利用可能な幅広い素材を反映しています。とりわけ、写真、映画、絵、漫画などの視覚資料が含まれます。他には音声表現、あらゆるデジタルメディアの表現、ライブパフォーマンス、印刷物またはオンラインの記述、彫刻やおもちゃ、装飾品などの物体が含まれます。26

62.委員会は、締約国に対し、法律により子どもの性的虐待物をいかなる形態でも禁止するよう求めます。委員会は、そのような資料がますますオンラインで流通していることに留意し、締約国に対し、刑法の関連規定があらゆる形式の子どもの性的虐待物を網羅するようにすることを強く推奨します。これには、第3.1条(c)に列挙された行為がオンラインで行われる場合や存在しない子ども(non-existing children)の写実的(realistic)表現を意味する子どもの性的虐待物を含みます。

63.委員会は、「疑似的な性的行為」は、オンラインであろうとオフラインであろうと、実際に(real)もしくは擬似的に(simulated)性的に露骨な行為に従事する子どもであると見受けられる(appearing)人物が描写されるもしくはその他の表現が行われるもの、および性的に露骨な活動に従事する子どもの写実的(realistic)かつ/もしくは実質的(vitrual)な描写を含むと解釈すべきであると見解です。そのような描写は子どもを性の対象として見ること(sexualisation)を正常化することに貢献し、子どもの性的虐待物の需要を刺激します。

64.さらに、第63段落で説明した理由から、主に性的な目的のための子どもの性器の写実的画像を含む子どもの性的部位のあらゆる表現は、この犯罪の定義に該当します。表現が「主に性的な目的」のために意図または使用されているかどうかを確実に立証するのが困難な場合、委員会はそれが使用されている文脈を考慮する必要があると考えます。

65.委員会は、「児童ポルノ」という用語を使用する国際的な不本意が高まっていることに締約国の注意を引きます。この用語は、ポルノとの関連性――活動はおおむね合法的であり、対象が自主的に参加し、対象が同意することができる活動、すなわち大人との関連を示唆するため、被害者の状況を間接的に攻撃すると考えられます。これは性的搾取と虐待の子どもの被害者の現実からはほど遠いものです。

66.それゆえ、委員会は、締約国が、最近の動向に沿って、法律および政策において可能な限り「児童ポルノ」という用語を避け、「ポルノ的演技や素材における子どもの使用」27および/または「子どもの性的搾取物」などの用語を使うことを推奨します。

67.さらに、委員会は締約国に対し、児童をポルノ公演に参加させるよう募集するか原因となるか強いる行為、そうした目的で子どもを搾取することなどで利益を上げる行為、子どもが関与するポルノ的演技に故意に参加する行為を犯罪化するよう推奨します。

68.OSPC第3.1条(c)は締約国に対し、「児童ポルノ」を作成、配布、頒布、輸入、輸出、提供、販売または特定の目的のために所有する行為28を犯罪化することを義務付けます。委員会は、締約国に対し、そのような資料の単なる所持を犯罪化することを強く推奨する一方で、例えば職業上の要求がそのような資料の所持を正当化する場合など、この禁止事項に対する潜在的な例外について十分な考慮を払います。例外は、法律によって明確に構成され、そのような資料をいつ誰が所有することができるかを規定する手順を伴う必要があります。

69.第9.5条OPSCに従って、締約国はまた、OPSCに記載されている犯罪を宣伝する資料の作成および配布は犯罪であることを確実にすべきです。たとえば、広告やコマーシャルなどのオンラインまたはオフラインの媒体へのいかなる挿入も、何らかの形で子どもの性的搾取を促進するものであれば、犯罪化しなければなりません。

70.委員会は、自分自身のためだけに、またはボーイフレンド/ガールフレンドもしくはより幅広い同級生グループと共有するために、例えば自身の性的部分の表現といった性的画像を生み出す子どもの数が増えていることに特別な注意を払う必要性を強調します。OPSCが「児童ポルノ」と言及し刑事犯罪を構成するものと、児童自身を表現する児童自身が作成するコンテンツ/素材を区別しなければなりません。委員会は、そのような資料の「自己生成」の側面が、子どもが犠牲者として扱われるのではなく責任を負うと考えられるリスクを高める可能性があることを懸念し、子どもは自身の画像を作成することで絶対に刑事上の責任を問われてはならないことを強調します。一方、これらの画像が子どもの意志に対する強要、脅迫、またはその他の形式の過度の圧力の結果として作成された場合、子どもにそのようなコンテンツを作成させた人物は裁判にかけるべきです。29非常に幼い子ども(思春期前の子どもなど)を描いた自己生成の性的な資料については、それは虐待的または強制的な関係の結果であると想定されるべきです。30さらに、そのような画像が後に子どもの性的搾取物として配布、頒布、輸入、輸出、提供、販売された場合、そのような行為の責任者は刑事責任を問われるべきです。

71.セクスティングは携帯電話、アプリケーション、インターネットを介して子どもが自己生成したコンテンツを作成、共有、転送したときに発生します。セクスティングは、若者の仲間からの圧力の産物であることが観察されており、ある程度、ティーンエイジャーはセクスティングを「普通」31と考えることがますます増えています。この行為自体は必ずしも違法または不法であるとは限りませんが、そのようなコンテンツが子どもの意志を超えて、もしくは子どもの意思に反してオンラインまたはオフラインで流通する危険性があります。これには、子どもたちを傷つけたり、好意を強要する根拠として使用されることを含まれます。

72.委員会は、ICTの使用が増加するにつれて、子どもたちが他の子どもを性的対象として見る、大人同様に被害者に同じ外傷性の影響を生み出すことができる素材を配布することにますます寛容するようになていることを認めます。そのような資料は、いったんオンラインで流通すると、削除するのが非常に難しくなり、当初の意図を超えて簡単に広がる可能性があります。子どもの性的画像もいじめの文脈で使用され、子どもに自殺を含む深刻な影響をもたらしています。この複雑な問題には細心の注意を払う必要があり、委員会は締約国に対し、子どもを保護するだけでなく、子どもが他人のイメージを広めることの重要性を認識できるようにする明確な法的枠組みを確立するよう奨励します。

73.締約国は、正式な刑事司法制度で裁判を受け、犯罪歴や性犯罪者の登録簿への記載を避ける代わりに流用できるような、他の子どもの性的素材を配布した子どもへの特別なプログラムを開発すべきです。

74.グルーミングとは、性的目的のための子どもの勧誘を指すのによく使用される用語です。グルーミングまたはオンライングルーミングとは、その人とのオンラインまたはオフラインでの性的接触を容易にするために、子どもと直接またはICTを使用してその子どもとの関係を確立する一連の行為を指します。性的目的のための子どものグルーミングまたは勧誘という用語はOPSCでは明示的に対象とされていませんが、OPSCが対象とする犯罪を構成する可能性がある子どもの性的搾取の一形態を表しています。例えば、子どものグルーミングは、非常に頻繁に子どもの性的虐待資物(「児童ポルノ」)の作成と頒布を伴います。さらに、グルーミングされた子どもは、OPSCによる子どもの売買または買春における性的搾取の犠牲者になる可能性があります。その点で、グルーミングの一連の行為はまた、OPSCが対象とするなんらかの犯罪を犯そうとする試みを構成するかもしれません。委員会は、締約国に対し、そのような行為を犯罪化するよう奨励します。

75.性的強要は、時には「セクストーション(sextortion)」とも呼ばれ、例えば家族やソーシャルメディアでそれを共有することなど、32描写された人物の同意を越えてそうした素材を共有することの脅威の下で、性的嗜好や性的な素材、お金またはその他の恩恵を強要する目的で人を強要する一連の行為を指します。このやり方はグルーミングはセクスティングと関連があることが多く、委員会は、子どもを深刻なリスクにさらす、犯罪者によるより極端な、暴力的な、加虐的な、そして下品な要求の明らかな増加を懸念しています。33

76.上記の行為に関して、 委員会は、子どもたちが性的行為を目撃することが時々あることに留意し、参加しなかったとしても、34性的な目的で、意図的に子どもに性的虐待もしくは性的行為を目撃させることを犯罪化することを締約国に推奨します。

77.最後に、委員会は、18歳未満の子どもはいかなる形態の売買、性的搾取、または性的虐待にも同意できないこと、および締約国は18歳までの子どもに対するOPSCが対象とするすべての罪を犯罪としなければならないことを強調します。搾取的または虐待的な性的行為に対する子どもの推定「同意」は、無効とみなされるべきです。性的同意年齢はこの点では無関係です。締約国は、年齢の近い未成年の同意の上の性的行為を犯罪としてはなりません。

VI.制裁

  1. 委員会は、締約国がOPSC第七条の下でOPSCが対象とする犯罪を実行したり促進したりするために使用されたあらゆる資料および資産を押収し没収するための措置を取る義務を負うことを想起します。締約国はまた、そのような犯罪から生じた収益を入手かつ没収し、そのような犯罪を実行するために使用されたあらゆる施設を閉鎖するための措置を取る義務を負っています。 この点に関しても国際協力が保証されなければならず、他の締約国からの差し押さえまたは没収の要求は実行されなければなりません。

79.OPSCの対象となる犯罪を実行したり促進したりするためのICTの使用の増加を考えると、締約国は、そのような犯罪を実行するために使用されるハードウェアとソフトウェアの両方を含むさまざまな電子的手段に細心の注意を払う必要があります。さらに、委員会は、これらの新しい形態の犯罪に対処する必要性を強調します。こうした犯罪はチャットルームやオンラインフォーラム、もしくはその他のオンラインスペースのようにオンラインが関係していたり、「無形」だったり、敷地内にあったりするかもしれません。用語の古典的な意味での物理的な前提を表すものではありません。

  1. OPSCの対象となる犯罪に関する調査中に収集された証拠については、そのような証拠の収集方法、保存方法および保存場所、アクセス可能な者、保存期間について明確な規則と手順を確立する必要があります。委員会はまた、締約国に対し、証拠の破棄に関する明確な規則を定めるよう勧告します。特に、最初の犯罪が行われた後も長い間犠牲者を何度も犠牲にし続ける子どもの性的虐待物については明確な規則を定めるよう勧告します。

81.子どもの売買および性的搾取は、子どもが保護される権利の最も重大な侵害の1つであり、被害者に長期にわたる悪影響を及ぼします。委員会は、締約国に対し、OPSC第3条に従って、その中に含まれるすべての犯罪を、国の刑法または刑罰法規のもとでの重大な性質を考慮に入れて適切な刑事制裁で処罰されるべき犯罪として扱うよう要請します。

82.共犯と犯罪への参加、および犯罪を起こそうとする試みについては区別がなされるべきです。(犯罪への)加担におけるこれらのさまざまな役割はすべて、国内の刑法または刑罰法規の下で刑事訴訟にされるべきです。 83.法人に対する責任と制裁に関して、締約国は、刑法、民法または行政法の下で、OPSCの対象となる犯罪への関与、共犯、および参加について、法人が法的責任を負うことができるようにしなければなりません。子どもの性的搾取を促進するためのオンライン旅行代理店およびウェブサイトの予約を含む旅行および慣行セクターの責任と同様に、金融機関がそのような違法行為のために支払うことを目的とした金融取引を遮断および拒否する法的責任や、ICT企業がそのサーバ上でホストされている性的虐待物を遮断および削除する法的責任に特に注意を払うものとします。

VII. 裁判管轄権と引き渡し

84.最低でも、締約国は、禁止のセクションで説明されているように、自国の領域で犯罪が行われた場合は第3条第1項に記載されているすべての違反に対して刑事管轄権を確立しなければなりません。時刻の領域には当該船舶または航空機の所在にかかわらず、自国で登録された船舶または航空機内が含まれます。これにより、被告人と被害者がその国の国民であるかにかかわらず、締約国はこれらすべての犯罪を捜査および起訴することができます。必要ならば、国家は被告人の逮捕のための国際令状を発行することができます。委員会は、締約国に対し、この義務が未だそうでない場合には、この義務を遵守する法律を採択するよう要請します。

85.委員会は、締約国に対し、子どもの被害者を発見するための、警察の捜査能力を拡大するよう奨励します。また、まだそうでなかったとしても、警察が訓練を受け、子どもの性的虐待物の生産と配布などの犯罪捜査に不可欠な隠密業務を行う可能性を開くために、35警察の捜査能力を拡大するよう奨励します。 委員会はまた、締約国に対し、この件に関する国際協力を強化するよう奨励し、INTERPOLが子どもに対する犯罪に取り組むための専門的な技能と資源を開発してきたことを思い起こします。36

86.OSPC第4条第2項に従って、締約国は、OPSCの対象となる犯罪がその領土外で実行された場合、被告人が自国の国籍を持つ場合もしくは自国が常居所である場合、もしくは子どもの被害者が自国の国籍を持つ場合、管轄権を設定すべきです(域外管轄権)。域外管轄権の下で、被告人が上記の資格を満たしている場合または被害者がその国の国籍を持つ場合、加害者の捜査および起訴を開始することができます。この訴訟では、被告人が領土内に存在する必要はありません。主に犯罪者の捜査および起訴に責任を負うのは犯罪が行われた国ですが、被告人が国籍を持つか、または被告人が常居所を持つ国は調査を開始する権限を有します。それは彼女/彼の逮捕のための国際令状の発行を含むかもしれません。

87.域外管轄権に関する法律に関して、委員会は、締約国に対し、子どもの被害者が自国の国籍を持たないがその国の領土に常居所がある場合を含めることを奨励します。37

88.さらに、締約国は、関連する犯罪がその国で犯罪化されていなくても、他国で行われたOPSCの対象となる犯罪に対して域外管轄権を行使することを可能にするため、double criminality(引き渡しが行われる場合、対象となる犯罪は双方の国で犯罪とされていなければならないとする原則)の要件を廃止すべきです。double criminalityの原則は、刑事免責を可能にする法律に感激を生じさせ、そして適用されるべきではありません。

89.域外管轄権は、犯罪者が他国へ旅行しそうな国では、臓器の売買のための子どもの売買および旅行や観光における子どもの性的搾取に関連する犯罪にとって特に重要です。犯罪者が出身国に戻るまで搾取は検出されない可能性があるので、締約国が彼女/彼女を起訴する能力を有することが不可欠です。

90.したがって、委員会は、OPSCの対象となる犯罪を海外で犯したとされる国民が彼らの領土に存在し、彼/彼女が国民だからという理由で引き渡さない場合は、締約国は最低でも管轄権を確立しなければならないことに留意します。(OSPC4.3条)委員会は、締約国に対し、この義務を遵守するために必要なすべての立法上の調整を行うよう要請します。犯罪者が異なる国々の間を容易に移動したり行ったり来たりすることができるような国境が穴だらけの状況では、地域の協力は不処罰と戦うために不可欠になります。

91.委員会は、子どもに対する性犯罪を犯すためのICTの利用の増加とこれが領土にもたらす新たな課題に関心を寄せています。たとえば、犯罪者は、ある国で、別の国で性的に虐待されている子どものライブストリーミングを見たり、注文したりすることさえできます。ICTを使用して犯罪を実行した犯罪者が起訴されることは絶対に重要です。「実体験」がないことは、その人が訴追を避け、免責の恩恵を受けることができるという意味では決してありません。

92.まだ広く存在する不処罰を効果的に終わらせるために、委員会は締約国に対し、OPSCの対象となるすべての犯罪に対する全域的管轄権の確立、すなわち被告人と被害者の国籍や常居所に関係なくそのような犯罪の捜査と起訴を可能にすることを奨励します。さらに、委員会は、OPSCの対象となる犯罪の多くは、ICTの使用を通じても実行または促進することができること、管轄権はそのような犯罪の出現も対象にしなければならないことを思い起こします。

93.引き渡し:委員会は、OPSCの対象となる犯罪について、OSPC第5条に基づく引き渡しについて以下の規則を思い出すことを希望します。

  • (a)OPSCは、それが定義している犯罪のための締約国間の引き渡しについて十分な法的根拠を提供している。結果として、これらの犯罪に関する限り、そしてOSPC第5条第2項に従って、締約国は、追加譲渡要求を得るために他締約国と追加条約を締結する必要はありません。

  • (b) 条約の存在を条件として引き渡しを行わない締約国は、OPSC第5条3項に従って、そのような罪を国家間の浪費的な罪と見なします。

  • (c)そのような犯罪は、OPSC第5条4項の下で、国民を引き渡さない締約国の領域内で実行されたものとして扱うべきです。さらに、締約国が被告人を引き渡さない場合、その締約国はOSPC第5条5項「引き渡しと訴追の原則」に従って彼女/彼を訴追するための措置をとるべきです。

94.さらに、委員会は、締約国に対し、OPSCの対象となるあらゆる犯罪の企画、共犯および参加にも、引き渡しの適用範囲を拡大するよう奨励します。

VIII.訴訟手続における子どもの被害者の援助と保護される権利

一般的観察

95.委員会は、刑事司法制度を子どもにとってより身近で親切にするために子どもやジェンダーに配慮した措置をとることにおいて締約国が行った著しい進歩を認識し、子どもがそれらを利用できるようにし力を与えるための効果的な方法を見つけることの重要性を強調します。これは、まだ刑事司法制度に入ったり刑事訴訟に参加したりすることはめったにない、OPSCの対象となる犯罪の子どもの被害者に特に関連します。38

96.委員会は、締約国およびその他の関連する利害関係者に対し、法的手続きにおける児童の援助および保護される権利を確保する際、子どもに案内するための児童被害者および犯罪の証人が関与する問題に関する国連正義ガイドラインを使用するよう奨励します。

97.委員会は、締約国に対し、法的能力にかかわらず、年齢に配慮した方法で情報を入手する権利および子どもの被害者の意見が聞かれる権利を確保するよう要請する。子どもの被害者は、その両親、保護者、または法定代理人と同様に、容疑者に対する刑事訴訟の提起についての情報に基づく決定を行えるよう助力するための必要な情報を理解できる言語で、またジェンダーや年齢に配慮した形式で受け取るべきです。この情報には子どもの権利、犯罪プロセスにおける期待される役割、参加のリスクと利益に関する情報が含まれます。訴訟手続きに参加したら、子どもたちは定期的に最新情報を入手し、遅延についての説明を受け、重要な決定について相談し、審問や裁判の前に適切に準備する必要があります。

98.委員会はまた、締約国に対し、CRC第12条および一般意見第14号に従って、正式な「子どもの最善の利益」決定プロセスを開始し、被告人の刑事訴追が被害者の健康と回復に悪影響を与えないように要請します。その文脈では、子どもの回復と幸福は十分に考慮されるべきであり、刑事訴追を開始する前に、まず犠牲者に必要な支援を受けるための期間を提供する必要があるかもしれません。39被告人が子どもの両親または保護者であり、子どもを1人以上の家族から引き離す必要がある場合、これはさらに重要になります。そのような場合、もしいるならば、子どもの兄弟姉妹にも十分な配慮が必要です。

99.委員会は、OPSCで扱われている犯罪に関する調査は依然として、子どもを支援するよりもむしろ子どもに依存していることが多く、犯罪者を有罪とすることは子どもの証言にほぼ完全に頼っていることに注意します。委員会は、締約国に対し、デジタル証拠を含む犯罪現場の証拠のより有効かつ完全な利用、法廷におけるそのような証拠の導入、そして裁判所および児童の性的虐待シールド法や児童聴聞会の例外のような証拠規則の十分な利用を強く推奨します。 そのようにして、委員会は、被害者の苦情なしに起訴のための捜査を開始する可能性を認めるよう締約国に要請します。

カウンセリング、報告および苦情メカニズム

100.OPSCの対象となる犯罪の子どもの被害者が、彼らに何が起こったのかを報告することは特にありそうにない。多くの人が何が起こったのかを明らかにすることを恐れています。なぜなら、しばしば加害者は子どもが知っている人であるか、子どもが恥ずかしい、罪がある、共犯であると感じるからです。他の子どもは自分自身を犠牲者として認識しないか、警察への信頼を失っているか、司法制度に不信感を持っているか、報復と不名誉の危険があるか、政府施設への長期の留置を恐れているからです。

101.委員会は、締約国に対し、これらの犯罪に関して制限の法令を制定することを避けるよう勧告します。そのような制限の法律がある場合、委員会は、犯罪の特定の性質に合わせてそれらを調整し、被害者が18歳に達したときにのみそれらが実行を開始するようにするよう各国に要請します。40

102.委員会は、締約国に対し、子どもが信じられていると感じ、安全に話し合えると感じられる環境を醸成するのに資する援助および保護の枠組みを提供するよう要請します。特に、締約国は次のことをすべきです。

  • (a)子どもの被害者による虐待の報告を容易にするために、広く利用可能で、容易にアクセス可能で、子どもや性別に配慮した、機密性の高いの精神社会カウンセリング、子どものための報告および苦情メカニズムを確立すること。そのようなメカニズムは法律によって確立されるべきであり、そして子どもの世話と保護に責任がある当事者、サービスと施設を明確に定義するべきであり、そして差別なしですべての子どもたちにとってアクセス可能であるべきです。 そのようなメカニズムには、オンラインでの子どものホットライン、電話相談窓口、その他の窓口などの報告経路、ならびに子どもが最も安心して感じられる方法(匿名でも)で性的に虐待されていても助けを求めることを可能にする、自己生成的な性的に露骨なコンテンツに関して助言を求めたり助けを求めたい場合の司法告発メカニズムが含まれます。

  • (b) 子どもの犠牲者や目撃者のためのサービスを1か所の安全な場所、例えば、「子どもの家」または「ワンストップショップ」のような子どもたちの世話と保護のために介入するすべての異なる関係者が集まる場所に集めること。そのような場所は、子どもの犠牲者や目撃者が安全な環境の中で、子どもやジェンダーに配慮した、職業的で効果的な対応を行う、いつも子どもたちの一番の関心を保つことを確保するための多くの専門分野にわたる各省庁の連携が提供されます。

  • (c)国内人権機関やオンブズマンなど、人権の保証に責任を負う国内機関に対して、子どもとジェンダーに配慮した方法で子どもからの苦情を受け取り、調査し、対処するための特別な権限を与え、被害者のプライバシーと保護を確保し、子どもの被害者のための観察、追跡調査、検証活動を行うことを保証すること。

  • (d)被告人に対する刑事訴訟に参加するかを決定する前に癒しのプロセスを開始し、何が起こったのかを理解するために、子どもの被害者(および必要に応じて家族)に救助後の回復と熟考期間を与えること。41この点に関して、法律により、上記のすべてのサービスへのアクセスが刑事訴訟への参加に依存していないことは絶対に明確にする必要があります。

刑事裁判手続への参加

103.委員会は、締約国に対し、刑事司法手続のすべての段階においてOPSCの対象となる犯罪の被害者を支援し、その権利および利益を保護するために適切な支援と法的助言を提供し、そのような手続きは子どもの最善の利益において実行されることを確保する義務を思い出させます。これには次のことが含まれます。

  • (a)質問の方法を含む法的手続きおよび捜査手続きが、子どもおよび性別に配慮する一方で、子どもの二次被害を回避するために当局がそのような手続きを個々の子どもの特別なニーズや好みに適応させるkとおを確実にすること。そのためには、被告人との対面や複数回の面接を避けるべきです。 警察官、裁判官、裁判官および弁護士は、子どもの権利および子どもに優しい司法措置に敏感になるべきです。

  • (b)子どもの被害者を脅迫や報復から適切かつ十分に保護するための法的および実践的措置を確保すること。

  • (c)無料の法的援助を提供し、弁護士または保護者の広告、もしくは子どもを代表する資格のある他の擁護者を任命すること。さらに、刑事司法の過程で、医療関係者、児童精神科医、心理学者およびソーシャルワーカーへのアクセスと支援をすべての子どもの犠牲者に提供し、これらの専門家が訓練を受け、子どもとの信頼関係を築くことができるようにすること。

  • (d)証拠を出しているときなど、刑事訴訟手続き中に子どもの被害者が身体的に立ち会う必要性を回避し、可能であれば、法廷に出席することなく裁判中に子どもの被害者が弔問を受けることを可能にする適切なコミュニケーション技術を利用するよう努力すること。42これはまた、海外の子どもたちに対するOPSCの犯罪を含む司法手続きにおいても不可欠となり、他国の被害者からの証言を可能にします。そのような技術的手段が利用できない場合、または裁判中に子どもの身体的存在が絶対に必要な場合、締約国は、二人の間にスクリーンを置くことなどによって、子どもが被告人に対面しないことを確実にすべきです。

  • (e)被告人が親、家族の一員、別の子ども、または主介護者である場合、必要に応じて特別な予防措置を講じること。そのような措置は、子どもの公開が子ども自身や他の問題を起こさない家族の状況を悪化させるべきではないという事実を考慮して慎重に検討すべきであり、子どもが経験したトラウマを悪化させるべきではありません。排除は子どもに罰として経験される可能性があるため、委員会は、締約国に対し、子どもの犠牲者ではなく被告人の排除を検討するよう奨励します。

104.委員会は、子どもに優しい司法の基本原則は手続の迅速性であることを再確認します。OSPCの対象となる犯罪の報告は遅れるべきではありません。児童の性的搾取および性的虐待に関する事件は優先的に追跡され、継続的な聴聞会またはその他の方法で促進されるべきであり、遅れは児童の見解および最善の利益を考慮した後にのみ承認されるべきです。

105.最後に、委員会は、締約国に対し、適切である限り、刑事、民事および行政手続において、上記の支援および保護措置を被害者および証人に拡大することを強く奨励します。

IX.子どもの被害者の回復、家族および社会の再統合および補償に対する権利

106.委員会は、締約国に対し、子どもの被害者への補償をもたらし、受けた危害について補償されること、回復と再統合を可能にすることが犯罪者を罰することと同じくらい重要であり、OPSC第9条3項と第9条4項に基づく義務であることを指摘します。43そのため、委員会は締約国に以下のことを勧告(recommends)します。

  • (a)医療、社会復帰、被害者の肉体的および心理的回復のための関連サービスが、それらを必要とするすべての子どもたちに国が無料でアクセスできるようにし、そのようなサービスを提供する人が認定訓練と必要な専門知識を持つようにすること。

  • (b)外国人被害者を含む、綿密に観察された、裁判後の再統合サービスを含む、包括的な一連のケアと支援を開発すること。

  • (c)被害者の具体的な状況や人生の見通しに応じて、各被害者にとってどのような形の補償が望ましいかを慎重に検討してください。現金での支払いに加えて、またはその代わりとして、長期的に被害者に利益をもたらす可能性がある教育ならびに/または収入創出活動に対する財政的またはその他の支援の形で報酬を提供することが可能です。

107.オンラインでの性的搾取および虐待に関して、犯罪の発見は必ずしも特定可能な被害者および犯罪者につながるわけではありません。締約国は、相互の法的支援および国際協力ならびにINTERPOLを含め、被害者の特定を強化するため、そして彼らの救助および本国送還を指導するための明確な措置をとるべきです。締約国はまた、犯罪者を特定するために画像分析システムを含む同様の手段を使用すべきです。

108.ICTがOPSCの対象となる犯罪を実行または促進するために使用されてきた多くの場合、永久的な記録(子どもの性的虐待物の形で)が存在する。委員会は、これが子どもの回復と再統合に与える可能性がある継続的な影響について深く懸念しています。締約国は、そのような状況についての意識を高め、必要に応じて長期的な社会的および心理的サービスを提供するための適切な措置を取るべきです。

109.子どもの性的虐待を描いた素材のオンラインでの存在と流通の継続はまた、子どもの汚名を悪化させ、子どもとその家族が感じるかもしれない恥を増大させ、家庭や地域社会への再統合をより困難にします。委員会は、締約国が、そうした素材が引き続きアクセスされ共有されることを回避するために、子どもが関与する悪影響を与えるまたは有害な素材を阻止および除去するための迅速かつ効果的な手順を提供することを勧告します。このような手順は、法執行機関、ホットラインの報告、特にインターネットサービスプロバイダやソーシャルネットワークの民間部門と連携して確立する必要があります。44

110.締約国は、経済的地位にかかわらず、法的援助の提供または国営の補償システムの確立を介して民事訴訟を起こす可能性を被害者に提供すべきです。そして、問題の犯罪に関与しているために、彼らが不適格と見なされないようにすべきです。45そのような民事訴訟では、必要に応じて、刑事訴訟で述べられているのと同じ、子どもとジェンダーに配慮した措置を統合するべきです。

111.子どもの性的搾取および性的虐待が、ICTの使用を通じて実行または促進されている場合、補償の問題は特に複雑です。 カメラの前で性的虐待を受けたときだけでなく、それらの画像やその他の虐待の表現が他の人からオンラインでアクセスされるたびに、子どもたちは深刻な害を被ります。「児童ポルノ」被害者に対する補償が法により義務付けられている国でも、裁判所が、視聴者の行為と子どもの害との因果関係に基づいて各視聴者が子どもに支払うべき補償額を計算することは困難であることがわかっています。

112.被害者が有罪判決を受けた犯罪者から補償を受ける可能性を高めるために、締約国は、訴訟の早い段階で被告の資産の特定と差し押さえを可能にし、被害者が没収された財産から支払われるようにマネーロンダリング法を修正すべきです。補償措置は、締約国が「与えられた場合は主務官庁はそうした救済を執行することを確実」にしなければならないとする市民権および政治的権利に関する国際規約第2.3条(c)のような国際基準に従って実施されるべきです。

113.最後に、委員会は、加害者の捜査および起訴が、正義を得る被害者の更生および他の同様の犯罪の防止、すなわち抑止の手段としても役立つことができることを締約国に思い出させます。その文脈において、委員会は、締約国に対し、政治的意思を示し、OPSCの対象となる犯罪に対する説明責任に積極的で、免責との戦いに積極的に取り組むことを奨励します。

X.相互の法的援助と国際協力

114.委員会は、締約国に対し、OPSC第6条1項の下で、訴訟のための処理に必要な証拠の入手を支援することを含め、調査および刑事訴訟または引き渡し手続きに関連して互いに最大の援助手段を提供することをされていることを想起します。具体的には、締約国は、OPSCの対象となる犯罪の捜査に役立つ可能性がある情報を共有し、そのような犯罪にリンクしている可能性がある、またはその知識を持っている可能性がある人物の特定を含めて自国の領土に関する捜査を促進するために可能な限り何らかの形で貢献すべきです。

115.OPSC第10条に従い、締約国は、OPSCの対象となる犯罪に関連する行為に責任を負う者の予防、発見、捜査、訴追および処罰についてより広範に協力することが求められます。 そのような協力は、とりわけ、効果的な検出および報告システム、情報の共有、タイムリーな電子的証拠を含む犯罪の証拠の保護および伝達を網羅すべきです。適切な場合には、協力はまた、被害者の回復、再統合および本国送還における被害者への支援も対象とするべきです。

116.締約国の中には、政府の収入が少ないために、OPSCを効果的に履行するのに十分な予算配分を確保することにおいて課題に直面してます。委員会は、締約国に対し、社会経済開発、貧困撲滅プログラム、普遍的な教育への支援を含む国際支援の強化を通じて性的搾取と性的虐待から子どもが保護されるため、OPSCの規定および他の法的措置を有効にするために互いに助け合うための適切な措置を講じるよう奨励します。

117.委員会は、締約国に対し、国家機関、法執行機関、司法当局およびその他の関連する利害関係者を含む様々な主体が関与する二国間および多国間の協定を締結することを強く奨励します。 裁判前の犯罪者の特定、捜査および起訴、ならびに被害者の特定を可能にするために必要な技術的ツールを開発するために、民間部門や専門の非政府組織などの民間の利害関係者とのパートナーシップも確立すべきです。 46

118.同様に、締約国は、協力の強化を通じて、証人の証言や、インターネットサービスプロバイダやオンラインプラットフォームに保存されている電子情報を含む国境を越えて行われた犯罪を証明するために、有能な法執行機関および司法当局によるオンラインおよびオフラインでの子どもの売買、性的搾取および性的虐待の効果的な捜査および訴追に対する障害を取り除くべきです。民間部門は協力し、その点で取られた法執行措置に従うべきです。

119.委員会は、締約国に対し、犯罪ネットワークおよび加害者の捜査および起訴における効果的な協力のために、 Virtual Global Taskforceおよびオンライン上の子どもの性的搾取を終わらせるためのWePROTECTといった同盟を支援するよう奨励します。さらに委員会は、締約国に対し、オンラインでの児童の性的搾取と効果的に戦うための国内法、政策および戦略の策定のために、慣行と手続きを調和させ、専門知識を共有し、優良な実践例の機能を高め、国家への支援をもたらす永続的なグローバルタスクフォースの設立を奨励します。そのようなタスクフォースは、情報の中心として機能したり、仮想通貨で顧客/取引記録の境界を越えて情報を収集するための中央データベースを開発することもできます。47


  1. ICTは、ラジオ、テレビ、携帯電話、ならびにネットワークハードウェアおよびソフトウェアを含む任意の通信デバイスまたはアプリケーションを包含します。

  2. ECPAT International,移動中の犯罪者:旅行と観光における子どもの性的搾取に関する世界的研究(2016), http://www.globalstudysectt.org/ から入手可能

  3. ECPAT International and INTERPOL, 児童の性的搾取資料における未確認の被害者に関する世界的な指標に向けて(2018), http://www.ecpat.org/wp-content/uploads/2018/02/Technical-Report-TOWARDS-A-GLOBAL-INDICATOR-ON-UNIDENTIFIED-VICTIMS-IN-CHILD-SEXUAL-EXPLOITATION-MATERIAL.pdf で入手可能, 性的倒錯とは、異常な性的欲求を指し、通常は極端なまたは危険な活動を伴います。

  4. Interagency Working Group,性的搾取および性的虐待から子どもを保護するための用語集(2016), www.luxembourgguidelines.org で入手可能。

  5. 2014年一般討議報告書「デジタルメディアと子どもの権利」, https://www.ohchr.org/Documents/HRBodies/CRC/Discussions/2014/DGD_report.pdf で入手可能

  6. OHCHRの子どもの権利の日報告書を参照のこと, 「情報通信技術と児童の性的搾取」, A/HRC/31/34, (2016), また、国連人権理事会の児童の権利に関する決議31/7「情報通信技術と児童の性的搾取」を参照のこと, A/HRC/RES/31/7 (2016)

  7. 子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表の年次報告書を参照のこと, 30 December 2014, A/HRC/28/55,また、子どもの売買および性的搾取に関する特別報告者報告を参照のこと, 22 December 2014, A/HRC/28/56.

  8. 総会決議 A/RES/70/1 「私たちの世界を変える、持続可能な開発のための2030年アジェンダ」(2015), https://undocs.org/A/RES/70/1 から入手できます。

  9. 例えば、「犯罪防止と刑事司法の分野における子どもに対する暴力の撤廃に関する国連モデル戦略と実践的措置」附属書1、パラグラフ7(e)の採択、UNGA決議69/194を参照のこと。

  10. 子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表「立法」を参照のこと: https://violenceagainstchildren.un.org/content/legislation

  11. データ収集に関して、委員会は次のことに注意を向けています。OHCHR「人権に基づくデータへの取り組み方」, https://www.ohchr.org/Documents/Issues/HRIndicators/GuidanceNoteonApproachtoData.pdf で利用可能です。

  12. 一般的意見No. 21 (2017).

  13. 一般的意見No.18(2015)。2030年までに有害な慣行の廃除を求める持続的な開発目標(2016-2030)目標5.3も参照のこと。

  14. ECPAT InternationalおよびPLAN International,「早期および強制結婚という認識されていない性的虐待および性的搾取」

  15. 「移動中の犯罪者:旅行と観光における子どもの性的搾取に関する世界的研究」(2016)を参照のこと。

  16. www.thecode.org

  17. ランザローテ委員会, 第1回実施報告, 「信頼の輪の中での性的虐待に対する子どもの保護」を参照のこと。

  18. 強制労働の廃止に関するILO条約第29条および第105条によっても定められています。委員会は、子どもたちが強制労働として定義されていない、さまざまな形態の非合法の労働に従事することを思い出します。そして、最悪の形態の児童労働に関するILO C182や最低年齢慣習に関するILO C138などの国際基準で定義されているように、国家は児童労働を禁止する義務も負っていることを思い起こします。

  19. 2018年1月、児童売買と児童搾取に関する特別報告者報告, http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=A/HRC/37/60 から入手できます。

  20. この文脈での獣姦とは、人と動物の間の性的行為を指します。

  21. 委員会はまた、「性的行為」の数少ない法的定義の一つを提供するランザローテ条約およびその説明報告書にも注目しています。

  22. ルクセンブルクガイドラインp.29-30を参照のこと。

  23. 児童の売買および性的搾取に関する特別報告者,2014年国連HRC報告書, A/HRC/28/56 を参照のこと。

  24. ルクセンブルクガイドラインp.32-33を参照のこと。

  25. 「移動中の犯罪者:旅行と観光における子どもの性的搾取に関する世界的研究」(2016)を参照してください。

  26. ルクセンブルクガイドラインp.36を参照のこと。

  27. CRC34条©、児童の権利と福祉に関するアフリカ憲章27条©、およびILO条約182第3条(b)も参照してください。

  28. 第3.1条(c)を読んで下さい。「第2条に定義される児童ポルノを製造、配布、頒布、輸入、輸出、提供、販売またはこれらの行為の目的で所有すること」

  29. 子どもに素材を生産させた人物が未成年である場合は、刑事上の責任および少年司法に関する関連性のある法律が適用されるべきです。

  30. OHCHRの2016年ADRC報告; ルクセンブルクガイドライン p.43-44

  31. Madiganなど, 「青少年における性的行動の多様な形態の罹患率:系統的レビューとメタ分析」, Jama Pediatrics, 2018年

  32. OHCHRの2016年ADRC報告書; ルクセンブルクガイドラインp.52

  33. バーチャルグローバルタスクフォース, 「子どもの性的搾取環境精査」(2015), https://www.europol.europa.eu/newsroom/news/2015-vgt-child-sexual-exploitation-environmental-scan で入手できます。

  34. 性的同意年齢に達しない子どものためのランザローテ条約第22条や、いくつかの国の国内法により対象とされています。

  35. 子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表, A/HRC/28/55

  36. Interpol, 子どもに対する犯罪, https://www.interpol.int/Crime-areas/Crimes-against-children/Crimes-against-children を参照のこと。

  37. ランザローテ条約第25条でも定められていますが、これは犯罪者と被害者の国籍と常居所の両方を明示的に指しています。

  38. ECPAT International,「子どもの目を通して」, http://www.ecpat.org/wp-content/uploads/2017/04/Through-the-Eyes-of-the-Child_Barries-to-Access-to-Justice-thematic-report.pdf で入手できます。

  39. 児童の売買および性的搾取に関する特別報告者, 2014年国連HRC報告書, A/HRC/28/56

  40. たとえば、ランザローテ条約第33条やECPAT International「子どもの目を通して」を参照のこと

  41. ECPAT International「子どもの目を通して」

  42. ランザローテ委員会第1回実施報告書, 信頼の輪と枠組みの中における性的虐待に対する子どもの保護

  43. これはまた、ILO C182第6条および第7条(2)、ならびに勧告190段落15に基づく義務でもあります。

  44. DGD report (2014) たとえば、国は「PhotoDNA」技術を使用することができます。

  45. 児童売買および性的搾取に関する特別報告者, 2014年国連HRC報告書, A/HRC/28/56; ECPAT International, 「子どもの目を通して」

  46. HRC決議A/HRC/RES/31/7, OHCHR2016年報告書ADRC, およびDGD2014年報告書

  47. 子どもの売買および性的搾取に関する特別報告者, 2014年国連HRC報告者, A/HRC/28/56

荻野稔大田区議の収支を雑に計算する

雑な計算

収入 790万

荻野区議の手取りは月40万×12ヶ月にボーナス3回計250万=年730万*1

5~6万の借金の1年返済として60万借入

支出 782万

 資金管理団体に支出54万(平成28年分) 
 消費者金融に月5~6万返済=>年72万
 家賃月5~6万=>月72万
 電気代月1500円=>1.8万
 水道代月1000円=>1.2万
 食費1000円x3x30=9万
 携帯1万x12=12万
 猫去勢手術 2万x10匹=20万
 親族等に貸与月45万x12=540万

政治資金収支報告書平成28年分)*2

収入
 寄付 自身54万
 機関誌 18万
支出
 備品消耗品、事務所費 60万
 機関誌  12万

感想

手取りの半分を軽く超える金額を親族や知人に貸していたことになる。無計画と言わねばなるまい。政治資金の運用は支出の一割に満たない。荻野区議に必要なのは番頭ではない。日々の生計を見守る人生のパートナーだ。

上記の収支はとんとんだが、「様々な活動、会合やお付き合い」を加えると赤字になる。荻野区議は親族は金を返していると主張しているが、疑問である。本当に親族や友人から貸した金を回収できているのであれば赤字にはならない可能性がある。この場合は別の支出があることが考えられる。

荻野稔大田区議の2017/1/20~2017/2/20の動き(twitterより)

2017/1/20(金) 防災関連の活動について打ち合わせ。政務活動費の趣旨報告書を提出しに都庁へ。劇団Please Mr.Maverick観劇。ファミレスで打ち合わせ
2017/1/21(土) 町会の日帰りバス旅行に参加。神輿会の新年会。
2017/1/22(日) 矢口消防団始式に参加。新年会。
2017/1/23(月) マンガ専門学校日本マンガ塾代表取締役等と打ち合わせ。宗教グッズを押し入れから取り出す。工和会協同組合賀詞交換会に参加。
2017/1/24(火) 新年会に参加。
2017/1/25(水) メディア取材。自治会連合会の新春懇親会に参加。
2017/1/26(木) 東京若手議員の会の勉強会。
2017/1/27(金) 東京維新の会の統一行動デー。おいで通り糀谷商店会新年懇親会に参加。
2017/1/28(土) 荒井大介大田区議会議員の結婚式に出席。大田区太鼓連盟新春のつどいに参加。
2017/1/29(日) マンション内自治会のお餅つきに参加。荏原流れ太鼓ひびき會さんの新年会に参加。下丸子演劇ミニミニフェスタに参加。
2017/1/30(月) 確定申告。
2017/1/31(火) 二十一世紀桜祭り実行委員会全体会に参加。(移動支援従事者)養成講座を受講。打ち合わせを色々。
2017/2/01(水) 色々と打ち合わせに参加(イベントのお手伝い予定が増える)。
2017/2/02(木) 打ち合わせや陳情対応。
2017/2/03(金) 区議会へ。
2017/2/04(土) 会合に参加。新年会。武蔵新田商店会新春祭の準備の手伝い。
2017/2/05(日) 小林若宮八幡神社でお餅つきに参加。武蔵新田商店会新春祭に参加。
2017/2/06(月) 確定申告書を郵送。
2017/2/07(火) 医療・介護関係者、動物愛護関連者と意見交換。区役所で子育て支援について打ち合わせ。京浜蒲田三団体合同賀詞交換会に出席。
2017/2/08(水) 前後の脈絡なく(?)「酷い。」と呟く。大田区私立幼稚園連合会新春のつどいに参加、来月のイベントの打ち合わせ、地元の神輿会の会合に参加。
2017/2/09(木) 不明。(台湾に視察?)
2017/2/10(金) 不明。(台湾に視察?)
2017/2/11(土) 台湾FFに参加。
2017/2/12(日) 台湾に視察。「区議会議員の折り返しになる年」と呟く。
2017/2/13(月) 山田かずよし練馬区議の手伝い。区役所で打ち合わせやヒアリング。おぎの稔事務所の大学生インターンがスタート。野上武志氏と打ち合わせ。
2017/2/14(火) 表現の自由を守る会のパーティーに参加。
2017/2/15(水) 不明。
2017/2/16(木) 神奈川県にある千元院で滝行。(地域の支援者から紹介)。重信香織氏から街頭での訴え方などを学ぶ。
2017/2/17(金) 保育園についての相談を受ける。大田区議会第1回定例会開始。
2017/2/18(土) 地域猫活動を見学。
2017/2/19(日) 下丸子東町会のお餅つきの手伝い。矢口の渡商店会の新年会に参加。羽田空港へ。日本基督教団蒲田教会の朗読&ライブに参加。
2017/2/20(月) 大田区自殺総合対策 ゲートキーパー中級講座に参加。

荻野稔大田区議が口座を振り込め詐欺犯に譲渡した件まとめ

~2017年1月

荻野区議は2015年4月に初当選した。*1

2016年から2017年にかけて親族から相談を受け何度か金を融通した。*2

2017年2月上旬~2017年2月中旬

2017年2月上旬頃*3、『街金』『融資』などで*4検索して見つけたインターネットで見つけた金融業者にメールで100万円*5*6 の借金を申し込んだ。その後、業者を名乗る男から電話があり、「あなたのキャッシュカードを送ってもらえれば口座に現金を入金した上、カードを送り返す」と言われた。荻野区議は、都内の信用金庫に開設した使用頻度の少ない*7口座から自分の預金を引き出した上で、指示通り、カードと運転免許証のコピー*8を指定の住所*9 に送り暗証番号*10を伝えた。しかし、その後、業者と連絡が取れなくなったという。

カードを送った動機

記者会見前*11の動機に触れた箇所:「当選したて*12ということもあって、いろいろなお金の部分も手持ちになくて、何とか借りられないかというところを探していました。」(荻野区議)*13「選挙費用などで金が必要だった」などと説明しているという。*14

記者会見後の動機に触れた箇所:「親族から執拗(しつよう)に金策を求められ、*15*16*17 大手銀行や消費者金融から融資を受けられないほど苦しい財務状況だったという。*18*19*20*21

議員活動再開後のインタビュー*22消費者金融3社から借金し月に5〜6万円*23を返済していた。親族・友人知人への金の貸与、祖母の葬儀費用*24、親族の医療費、自宅の家賃・修繕費、これらを合わせて月に50万円を超えた月もある。地域猫の去勢手術の費用を負担したことも。*25「こうしたことが積み重なり、私自身、消費者金融などでの金策に走るようになり、お金を貸すためにお金を借りるような状況にも陥っていました」「ほかにも様々な活動、会合やお付き合いで経済的にも余裕がなくなり、精神的にもつらくなっていきました。余るほどお金があったわけではないですが、見栄を張ってしまったのです」

2017年2月中旬

カードを送った数日後、大阪府堺市の60歳代の女性が現金約200万円を振り込んだ。入金直後に(犯人グループに)都内で引き出された。(カードを送った)1週間後*26、キャッシュカードが返却されなかったことなど*27を不審に思った荻野区議は弁護士等に相談し*28電話にて*29口座の利用停止手続きを取った。*30*31

この手続きから2~3日後、信用金庫から振り込め詐欺に利用されている可能性があることから口座を凍結するという通知(封書)*32を受け、信用金庫に確認したところ、被害が出ていると聞いた。そこで、荻野区議は所轄の警察署(大阪府警)に連絡し、経緯を説明し、謝罪した。*33*34

2018年5月

2018年5月26日*35、警視庁が犯罪収益移転防止法違反容疑で荻野区議を事情聴取し、荻野区議は譲渡したことを認めたという。*36 その後、2018年10月24日までに5度ほど任意での事情聴取が行われた。*37

2018年10月

事件の「東京維新の会」への報告は2018年10月2日。*382018年10月3日付で同会は荻野区議を無期限の党員資格停止処分にした。*392018年10月4日付で大田区議会内会派「たちあがれ・維新・無印の会」は荻野区議の幹事長職を解いた。*40*41*42 2018年10月12付で大田区議会議長は荻野区議に厳重注意を言い渡した。*43

荻野区議は会見で、口座に200万円を振り込んでだまし取られた堺市の女性に、警視庁を通じ、2018年10月3日に*44被害弁償を申し入れたことも明らかにした。*45 *46 *47 2018年10月14日には被害者に面会し、被害を全額弁償した。*482018年10月15週から議員活動を再開する。*49

2018年12月

日刊サイゾー 2018/12/28:*50 「一度、議員辞職という形で責任を取り、その上で区民のみなさんに判断していただく必要がある」と考えた荻野区議はけじめをつけるため、「年末付けで、議員を辞職するための辞職願を区議会議長に提出」した。*51

マンガ論争20 p.36 2018/12/29:日経DIGITALの記事*52に「反省がない、同じ会派から議員辞職勧告を出す」「辞職するまで会派もやめさせない」と言われた。*53 会派を離脱し来月以降しっかりと説明をしたうえで辞めさせていただきたいと申し出たが、「会派の総意として許さない」と拒否され、辞職した。

柳ヶ瀬都議の説明 2019/3/5*54:荻野区議は2017年7月頃に大田区在住の独居高齢者(80代)から多額(柳ヶ瀬都議の主観)の借金を行い*55、当人に対し口止めを行ったことを「たちあがれ・維新・無印の会」の議員が知るところとなり、柳ヶ瀬都議が荻野区議に確認したところ事実関係を認めたことから、会派として議員辞職勧告を提出することとなった。実際は勧告が提案される前に、荻野区議が自ら辞職した。

※脚注がない箇所は読売新聞2018年10月3日版より

*1:https://www.jiji.com/jc/p?id=20181003203309-0028479250

*2:http://www.ogino.link/

*3:初出の読売新聞は2016年2月と伝えているが、続報は2017年2月。預金保険機構で公表されている振込み時期が2017年2月であることからも2017年2月が正しいと思われる

*4:https://news.nifty.com/article/domestic/society/12249-098665/

*5:https://www.youtube.com/watch?v=ZDelzInpXyA&feature=youtu.be

*6:100万円を政治資金として使うことは考えていない」(荻野区議)https://www.jiji.com/jc/article?k=2018100300605&g=soc

*7:https://twitter.com/yanagase_ootaku/status/1047417772467089408

*8:https://www.sankei.com/affairs/news/181003/afr1810030012-n1.html

*9:キャッシュカードを送付した先の住所は東京都だが、アパートかどうかは不明、確認していない。 https://www.youtube.com/watch?v=ZDelzInpXyA&feature=youtu.be

*10:https://mainichi.jp/articles/20181003/k00/00e/040/240000c

*11:記者会見前後で動機が異なっているため段落を分割する。金が必要な理由を複数挙げていた会見前から、維新の会や弁護士のレクチャーを受けたであろう会見以後は親族への金策のみを説明するよう方針変更したことが分かる

*12:荻野区議は2017年2月12日に「区議会議員の折り返しになる年」と呟いている。 https://twitter.com/ogino_otaku/status/830722159194497027 2018年10月2日にtbsのインタビューを受けた時点では2016年の事件と認識していた可能性がある

*13:https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3488861.html

*14:https://www.jiji.com/jc/article?k=2018100300605&g=soc

*15:「親父さんに頼まれて協力した」ことは報道で述べられていないと東京維新の会は主張する https://twitter.com/ishin_tokyo01/status/1047358350348890115 が、「親族から執拗に金策を求められ」の部分に含まれると思われる。

*16:「親族に金を貸した」(会見における記者の質問から)「一部返済されているため、いくら貸したかはお答えしない」(荻野区議) https://www.youtube.com/watch?v=ZDelzInpXyA&feature=youtu.be

*17:父親から金の無心があり、父親から金を借りる方法を教えられ、それを実行した(日本維新の会馬場幹事長) https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20181003/0019448.html

*18:https://www.sankei.com/affairs/news/181003/afr1810030012-n1.html

*19:https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201810040000176.html

*20:荻野区議の経緯書によれば融資を申し込んだが断られたのではなく議員の立場として銀行から借入れは出来ないという趣旨 https://twitter.com/yanagase_ootaku/status/1047417772467089408

*21:議員活動再開後のインタビューにより消費者金融から借金していることが確定したためこの言い訳は苦しい

*22:https://blogos.com/article/335442/

*23:1年返済なら60万借入、4年返済なら200万借入 https://cyber.promise.co.jp/Pcmain/BPB01Control

*24:荻野氏は一円も出していない(荻野恵美。元議員の叔母であるとされる。twitterで同様の口調のコメントがあり、そちらは叔父と名乗っていることから信憑性は疑問) https://twitter.com/inuhide/status/1103774802442039296

*25:一匹あたり1万~2万が中央値

*26:https://twitter.com/ishin_tokyo01/status/1047358350348890115

*27:https://www.youtube.com/watch?v=ZDelzInpXyA&feature=youtu.be

*28:https://twitter.com/yanagase_ootaku/status/1047417772467089408

*29:http://www.ogino.link/

*30:https://www.sankei.com/affairs/news/181003/afr1810030012-n1.html

*31:悪用される前に利用停止をと口座利用停止手続きを取った、と荻野区議は2018年10月24日に当初なかった主張を行っている。 http://www.ogino.link/

*32:http://www.ogino.link/

*33:https://twitter.com/yanagase_ootaku/status/1047417772467089408

*34:預金保険機構の広告によると2月10日に取引停止されている

*35:https://www.youtube.com/watch?v=ZDelzInpXyA&feature=youtu.be

*36:捜査への影響を考え報道されるまで公にはしなかった。 https://www.youtube.com/watch?v=ZDelzInpXyA&feature=youtu.be

*37:http://www.ogino.link/

*38:https://www.youtube.com/watch?v=ZDelzInpXyA&feature=youtu.be

*39:https://www.sankei.com/affairs/news/181003/afr1810030012-n1.html

*40:https://twitter.com/SeitaroMisawa/status/1047778026170109957

*41:新しく「日本のこころを大切にする党」の犬伏秀一 区議が幹事長職の任に就いた。

*42:荻野区議は幹事長職を自ら辞退したと主張している。 http://www.ogino.link/

*43:http://www.city.ota.tokyo.jp/smph/gikai/shinchaku/gicho-comment_20181012.html

*44:https://www.youtube.com/watch?v=ZDelzInpXyA&feature=youtu.be

*45:http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018100301002265.html

*46:金がなかったのはあくまで当時の話であり、現在は全額弁償する目途が立っている。(弁護士談) https://www.youtube.com/watch?v=ZDelzInpXyA&feature=youtu.be

*47:被害弁償の申し込みが報道以後となったのは被害金額が明らかになったからである(弁護士談) https://www.youtube.com/watch?v=ZDelzInpXyA&feature=youtu.be

*48:http://www.ogino.link/

*49:https://twitter.com/ogino_otaku/status/1054749467306483712

*50:表に出る話と仲間内のミニコミ誌で辞職経緯が異なるため、議員辞職勧告を出そうとした理由が荻野氏と柳ヶ瀬区議との間で食い違っているため、それぞれ段落を分割する

*51:https://www.cyzo.com/2018/12/post_188527_entry.html

*52: https://business.nikkei.com/atcl/NBD/15/226889/121000183/

*53:幹事長など責任者が認めなければ会派は離脱できない。例えば https://mainichi.jp/articles/20190125/k00/00m/010/303000c 会派での活動ができなければ議員ができることは制限される。

*54:https://m.facebook.com/hirofumi.yanagase/posts/2300754353303226

*55:柳ヶ瀬都議の身内から4万円を借りた。(荻野氏) https://twitter.com/DAT_SAN_/status/1103136855308943361

万引き家族

偽物ではない、さりとて本物ではない。そんな「家族」を支えていたのは老人の幻想だった。

夫に捨てられ、訪れる者といえば地上げを迫る半グレだけの独居老人。彼女が望んだ、息子夫婦と孫に見守られる生活。砂浜で仲良く遊ぶ「家族」に満足したようになくなった彼女は、劇中で「娘」が語るように幸せだったのかもしれない。だが、それもまた幻想だ。「家族」に紛れ込んだ血を分けない実の孫をことのほか可愛がるが、JKビジネスで金を稼ぐことを制止することはない。自分を捨てた夫が新しく作った家族に対する憎悪が垣間見える。実の孫であると認識しては「姉」を甘やかすことはできなかったのだろう。

そして、「家族」を破壊したのは老人の理想だった。

古びた駄菓子屋の店主は、少年が「家族」のために行う万引きをあえて見逃していた。だが、「妹」に万引きを行わせた少年には「妹に万引きをさせるんじゃない」と釘を刺す。もしかすると店主には戦後の混乱のなかで万引きを繰り返した過去があったのかもしれないし、幼い妹がいたのかもしれない。そう考えるとなんとなく火垂るの墓の清太を思い起こさせる。

「兄は妹を守るもの」という理想に付属する「万引きはいけないこと」という概念が少年の心を揺り動かす。思春期に入ったばかりの少年にとって、わざと万引きで捕まることは「父親」に対する反抗期のよくある一場面だったのかもしれない。だが、「祖母」がいなくなったあとの「家族」はそれだけであっけなく崩壊した。

壊れてしまった「家族」。それでも「父親」と「母親」は寄り添い暮らしていくだろう。「罪を一人でかぶる」という形ではあっても、他人のことを考えて行動できたのだから。ゆくゆくは本当の、本当とはどういったものであるのかが本作のテーマではあるのだが、本当の家族を持つことができるかもしれない。「兄」は独り立ちし、「姉」はおそらくは一人暮らしを始め、虐待されている自身を認識した「妹」は再び家の外に幸せを見つけようとする。

それにしても、「妹」の実の家族による虐待が見過ごされたのは何故だろうか。供述のなかで「母親」が告白していてもおかしくない。児童保護施設に入ることになった場合「兄」と境遇が似た形になるからと避けられたのだろうか。「洋服を買ってあげるからこちらに来なさい」を拒否していたが、母親は逆上して傷害を負わせるのではないだろうか。塀の外から再び救いの手が差し伸べられることを祈ってやまない。

「父親」が少年の親というより友人に近い精神構造というパンフレットの指摘には気づかなかった。これだから俺ァ……。

(請願)ゲーム業界で起こっている性差別的な思想の検証と検閲行為に対する調査を促します。

請願の概要:ゲーム業界で起こっている性差別的な思想の検証と検閲行為に対する調査を促します。

1.ゲーム原画家の中で女性の割合は高い

この一週間で二人以上の原画家はがゲーム内から作品を削除され、三人以上の原画家は、会社と合意して自らのSNSに謝罪文を掲載しなければならなくなりました。

彼ら「メガロ」であるからです。

04月27日現在、更に多くの女性ゲーム業界関係者が同じことを経験しています。

2.女性ベストセラーと称される「82年生まれキム・ジヨン」を読んだとファンミーティングで明らかにした歌手アイリーンが猛烈な非難を受けました。

アイリーンを好きな、上記の事件を非難する意見をリンクした原画家がメガロと非難されて、ゲームから作品を削除されました。アイリーンを支持する意見を明らかにした直後に行われたことだが、非難する側は1年前の男性の犯罪を非難する文を「お気に入り」に登録したことを「メガロ」扱いするんですよ。

このように原画家のキャラクターが削除された事件を見てショックを受けたと個人SNSに明らかにした原画家が一日のうちに謝罪文を掲載することになりました。このような行為もメガロの行為だからです。

このような事態を非難するスレッドをお気に入りに登録した原画家もメガロとされてメガロリストに上がりました。

このようなことはすべて「メガロ」がすることだからです。

3.「メガロ」は、現代の共産主義者です。

数十年前、過激派が気に入らない意見を持っている人を「アカ」であると告発して口を塞いだように、男女平等や女性の注意を叫んだりフェミニズムを支持する人、男性のジェンダー平等参加を促す人、そして彼らを応援する人々はメガロと呼ばれます。

そこにとどまらず、メガロであるとする芸術家の作品は削除され、メガロであるとされた芸術家は会社側から圧力が入って公式ホームページ上に謝罪文を上げなければならなくなります。

彼らが「メガロ」であるからです。

これらは民主主義社会で起こることではありません。

4.今日、原画家がゲーム会社代表から女性民友会をなぜフォローのかという質問を受けました。原画家は「深く考えずにフォローをしたようだ」「いつフォローしたのかもよく覚えて出ない」と答えました。会社の代表は、このインタビュー内容を公開して「原画家の社会問題についての無知や無関心から始まったメガロ論議を防止する」という謝罪文を掲載しました。

女性ベストセラーを読んだ人、両性の平等を支持する人、男性の犯罪と男女差別を非難する人、女性民友会をフォローしている人、これらの人々に同意した人、これらの人々をフォローした人、これらは不当な非難であると慰める人、これらすべてがメガロです。

メガロは、現代の共産主義者です。自分が女性であることを知っている女性を非難するために呼ばれる言葉です。女性が声を上げると仕事を失う、中東の女性差別の国で女性の顔を覆うヒジャーブと何が違うのでしょうか。

大統領。私はこのような国に住んでいたくもないし、このような国で娘を生むことも恐ろしく、こんな国で息子を生むことも怖いです。

(大統領の)原則と常識が通じる国を作るという言葉を忘れていません。

ゲーム業界で起こっている性差別的な思想の検証と検閲行為について調査してください。性別の違いや個人の意見を理由に会社から不当な契約破棄に遭わない国を作ってください。これらの検閲行為の再発を防ぐことができるように対応してください。

(私達は大統領の)フェミニスト大統領になるという言葉を忘れていません。原則と常識が通じる国を作るという言葉は、なおさら忘れていません。

女性嫌悪発言をしていた男性消防士は、最終的に3ヶ月後発言を認め、そのような発言を中止しました。すぐに復帰をしては、同じ価値観で同じことを繰り返すことになるでしょう。しかし、女性は仕事を失っています。

同じ内容の請願が目標値を満たしておらず、残念ですが請願を作成します。不当なゲーム業界の思想検証とその対象が女性に限定されていることを糾弾します。

https://www1.president.go.kr/petitions/213602?navigation=best-petitions

韓国語での情報提供する内容が少なかったので(韓国のアズールレーン関連掲示板より)

こんにちは

アジアのサブカルチャー系で活動中の極左フェミニズム傾向のイラストレーターNardackについて情報提供いたします。(ペンネーム:Nardack、twitter:@Nardack、piviv:http://pixiv.me/nardacktumblr:nardack.tumblr.com)

このイラストレーターは、日本のサブカルチャー作品でも活動しており、お客様の作品にも関連している可能性があります。

まず、2018年4月28日に発生した事件について説明をいたします。

日本でもサービス中のモバイルゲームビョクラム航路(日本国内サービス名アズールレーン)の韓国サーバー運用中に起こったことです。

韓国サーバー運営会社は、イラストレーターに外注を依頼して、画像を受領し、その画像を新しいログイン画面として4月28日に行われたサーバー点検後に交換しました。しかし、ユーザーからの反発が生じ、運営会社は、急いでそのイラストレーターの絵を取り下げて他の画像をログイン画面に変えました。

このような摩擦が出てきた理由は、イラストレーターが韓国の極左フェミニズム性向の団体である「メガリア」に属するという疑惑が持たれたということです。

疑惑の内容は、イラストレーターがSNSツイッター)上で「メガリア」の思想と関連するツイートにいいねやリツイートをしたことで、メガリアではないかという疑惑がありました。

まず「メガリア」について説明をいたします。

「メガリア」という韓国の集団は、反社会的集団で悪名が高い。「メガリア」は、自分たちがフェミニズムの代弁者だと主張するが、実際は、女性優越主義と男性のための軽蔑に団結した極左集団です。2ヶ月前には活発に活動している「メガリア」の会員が、オーストラリアで男の子を性的暴行した大規模な事件がありました。

特に韓国の男性は、これらの「メガリア」が持つ女性優越主義と反社会性に深刻な嫌悪と反感を感じており、過去にも何度も摩擦がありました。

「メガリア」のイラストとオタクの間の摩擦は、何度もありました。

摩擦の代表的な形態は、次のとおりです。

韓国で運営されている一般的なオタクのゲームに登場するキャラクターデザインを担当した人が「メガリア」という事実が確認されれば、ユーザーはこれに怒り、運営会社に抗議をします。

怒りを買った理由は、「メガリア」イラストレーターがオタクコンテンツを最も熱烈消費する韓国の男性で構成されオタク層を嘲笑する一方で、オタク層のお金に発生する収益を介して利益を得る二律背反的な集団だからです。

ユーザーの抗議と離脱を受けた運営会社は収益の急落や経営危機を迎えるため、運営会社は、「メガリア」イラストレーターの作品をゲームから降ろし謝罪文を上げます。

一見すると、ユーザーの暴動のような行為に会社が被害を受けるような構造に見えますが、「怒ったユーザーたち」による反応と解釈願います。

誰よりも熱心にそのコンテンツに忠誠を誓い消費するユーザーに、そのユーザーの悪口を言い笑う者が生産した内容を「売ろう」する行為は怒りを作り出すのに十分です。

上記のように説明した理由で韓国のアズールレーン運営会社は、ユーザ離脱と収益の低下を防ぐために、ひいては原画家(Nardack)を保護するために努力したし、さらに、そのイラストレーターに「自分はメガリアに属しない」との立場を表明するよう要請した。

しかし、これにNardackは拒絶し、むしろ驚くべき対応をします。

https://twitter.com/Nardack/status/989765058182897665

「強圧的な思想の検証を要求された」という常識を外れた主張をして、会社側との相談内容を「公論化」するというとんでもない名分の下で公開しました。

これは道徳的に大きな欠陥がある行動だと思います。

まず最初にそのイラストレーターが反社会的集団に同調しているかどうかの疑惑が生じたことが導火線であり、さらに、そのイラストレーターが度に反する行動をした一点が事態を大きく悪化させたと思います。

このイラストレーターは、企業と緊密相談する内容がある場合に、その内容を無断でリークする危険性があると判断されます。

また、現在、世界では、極左フェミニズム集団が力を得ている切ない流れが確認されており、これは日本でも同じであると知っています。

今後、日本でも極左フェミニスト集団が歓迎されているように、ここコンテンツ消費層(=オタク)の反発により当該極左フェミニズムに賛同するイラストレーターとのもつれやコンテンツのボイコットが発生する可能性があると思います。

是非この事件を覚えて極左フェミニズムに関する人物を警戒するよう願い、御社の内部機密保持の役に立てればと情報提供します。

ありがとうございます。

http://gall.dcinside.com/mgallery/board/view/?id=blhx&no=474988&page=1&exception_mode=recommend