話数単位で選ぶ、2014冬アニメベスト10

四月は君の嘘 #22「春風」

病弱少女はテンプレの一つ(参考:美坂栞)だと分かっていても涙が止まりませんでした。死を予感させる前半、CMの間は何も無かったように始まってくれと祈っていましたがやはり希望はありませんでした。後半を使って手紙で綴られるかをりの思いがタイトルに結びついて、伏線が綺麗に回収された納得感がそこにはあります。亮太の携帯は「嘘」で一番傷ついたのが彼であるという暗示でしょうか。公生はモテ過ぎだ爆発してしまえ。

暁のヨナ #20「勇気の連鎖」


歴史ファンタジーとして気を吐いてくれた暁のヨナ。上はそのなかでも一番好きなヨナの顔です。見てくださいこのド迫力。主人公の貫禄ってやつです。下の21話の目つきの方が迫力あるんですが、ここまでくるともう殺人者の目つきですね。お前、本当にヒロインか。一人で主人公とヒロインを無理なく両立するのって、考えてみればとんでもなく高性能ですよね。

SHIROBAKO #23 「続・ちゃぶだい返し」

後輩に追い抜かれ挫けかけたずかちゃん先輩の「私、少しだけ夢に近づきました」シーンを上げましょう。ずかちゃん先輩が声をあてるキャサリンというキャラクターと、ずかちゃん先輩自身、二つの夢が重なる瞬間。そして、瞬間に居合わせることができた宮森の涙。SHIROBAKOで一番グッとくるシーンです。
牙狼GARO>-炎の刻印- #18「幻炎−SCAR FLAME−」

牙狼は今期一番の殺陣のシーンから一枚。一クールが終わった時点ではアルフォンソ王子が堕天すると思いましたが、予想は外れました。

夜ノヤッターマン #12「夜明け」
ストーリーとしては色々と不満の残る最終回であった。本作品では、世界はヤッターマンの名の下にドクロベエが恐怖政治を布いている。その様を最も表しているのが#4「湯けむり露天風呂紀行」だ。身重の妻を残し遠いヤッターメトロポリスへの強制労働を免れようとしたが、約束を反故にされ強制労働行きを命じられた夫ビーネに対する妻の行動がこれである。


このような恐怖による支配を覆すため戦うレパード達――のはずだったが、最終回でドロンボー一味の声は誰も聞いてくれないからと、反乱の主体がガリナとアルエットこと新ヤッターマンへと移動する。しかし、待って欲しい。世界はヤッターマンの名の下に独裁制が布かれていたのではなかったのか。極悪な独裁者から優しい独裁者へ変わっただけで、世界の構図はちっとも変わっていないのではないか。
ドクロベエを倒そうと呼びかけるガリナとアルエットに最初に同調するのはどこぞのサラリーマン風の男であり、#4でヤッターメトロポリスに連れて行かれたビーネではない。ガリナとアルエットの呼びかけに「ヤッターマン」と答える市民たちには生気は無く、反乱や暴動をするでもなくただ無気力に「ヤッターマン」と呟くだけだ。ビーネもまたその中の一人にすぎない。ヤッターマン天皇を推戴することで政権を得るしかないという日本における革命の不可能性の表しているのだろうか。だとしても、市民たちにはストーリー上の存在意義がないのは伏線が機能してないと言うほかない。



ストーリーは残念だったが、旧シリーズの主題歌〜現主題歌の戦闘はよかった。(これも使い回しが多いのが残念なところ)


ユリ熊嵐 #1「私はスキをあきらめない」 #12「ユリ熊嵐



クマは常識あるいは断絶の壁の向こうにある社会のなかで支配的な考えにまつろわぬ者の表象のようだ。第一話の他者を拒絶しようとする「私はクマを許さない。私は熊を破壊する」から最終話の自身の常識を崩す「私は、私を砕く」への変化は見事だった。自分からの他者へのスキと他者から自分へのスキが重なって初めて約束のキスがなされるのだ。

でも未だにこのユリのシーンの意味が分からない。直前のユリ裁判は純香を喰らう許可のはず?

デス・パレード #1「デス・セブンダーツ」

ストーリーの流れとしてはストレス溜めさせる裁定方法は否定されるわけですが、それはそれとしてこの表情はたまりません。

ローリング☆ガールズ #8「雨上がり」

お約束っちゃあお約束ですがそこがいいんです。

ログ・ホライズン第二シリーズ #18「ライブがはねたら」

現実世界と仮想世界の差異を利用した再出発を描いた本話を選びました。世の中都合良く再リセットとはいかないものです、創作物のなかくらいは許していただけないでしょうか。
ところで作品につかんでもいいオチが付いてしまったのは残念です。第三シリーズに影響が出なければいいのですが。