国連によりオーソライズされた活動のみの自衛隊参加。政権担当能力がないとのマスコミ批判をかわすための政策協議、これが小沢氏を連立に惹きつけた内容だった。小沢氏の会見は真摯な内容であり、連立に考えたことにもなるほどと思わせるものがあった。しかし、自民党が目指しているのはアメリカ軍への戦争協力だ。小沢氏の主張では新特措法の提出は許されず、おまけに言えば自党の憲法草案を書き換える必要も出てくるだろう。連立のための取引とはいえ、自民党が不利にすぎる。目の前の餌に釣られず、小沢氏は一度冷静に考えるべきだった。「選挙による」政権交代を目指すという民主党の大目標も思い出すべきだった。
かくして小沢代表を引っかけた自民党はこれで一安心と思っているかもしれないが、民主党との連立構想を打ち上げるほど弱っていることを自ら暴露している。また、野党第一党をペテンにかけたことで選挙民の反発を受けるだろう。民主党がここから持ち直せば、次の衆議院選挙での勝ちも見えてくるのではないか。頑張れ、ここが正念場だ民主党。