エロゲーに挑み続けてはや数年。わずかな救援(名作)を頼みに幾多の敵(駄作)と戦ってきた。そして今日もまた新たなる敵を葬り去った。敵の名前は『H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-』(以下H2O)。ケロQのメンバーによる新ブランド枕の処女作である。敵の特徴は以下の通り。
一、音楽がチープである。単調かつ音数の少ない曲、しかもループが正常に行われずに演出外の理由で無音になったときには無限の孤独感を味わった。5秒近く無音になるとは近頃珍しい。音羽編のエンディングだけまともな出来。
一、キャラクター造形がぞんざいである。ざーとらしい仕草にざーとらしい口調とざーとらしい萌え展開を聞いていると痛々しい思いにとらわれる。もやしっ子だった主人公も年上の男子を格闘戦で叩きのめす戦闘能力を突如会得するあたり、融通無碍とは素晴らしい言葉だと皮肉を送りたい。
一、主人公の”目が見えない”という欠損が「ヒロインを探したい」「目の前の敵を倒すために視覚が必要だ」と思った途端に突然回復する。おまけで生の願望を持っているときは生(=この世界)を、死の願望を持っているときは死の世界(=闇の世界)を見ていると語られるのだが、その設定が物語に全く生かされていない。
一、舞台となる村では部落差別が行われていて、出身地が違うはずの教師までもが差別に荷担している。ひどすぎる設定だ。
一、設定資料集では予定調和的にハッピーエンドにしたって言うけど、わざとらしすぎるよ!