規制反対系モヒカン族について

昨日、規制反対系モヒカン族というワードを思いつきました。
中身についてはあまり考えていなかったので、ここで整理してみたいと思います。

連想元であるモヒカン族は2005年に一時期話題になったキーワードです。特徴をはてなキーワードから抜粋します。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%D2%A5%AB%A5%F3%C2%B2

・会話中の言い間違いや相手の誤解は指摘するほうが良いと考える
・「間違いの修正こそ正義」と勘違いしている
・「正義は我にあり」と言わんばかりに、他人の間違いにこだわる
・一般人から「理系的人間」と呼ばれやすい
・間違いさえ修正できれば、人がどう思おうと関係ないという態度が出ている


10年以上の前の定義を覚えているほど記憶力は高くないので「ヒャッハーしながら他人を叩いている人」くらいの認識しかなかったんですよね、実は。それはそれとして、規制反対系モヒカン族には次のような特徴があると定義したいと思います。

族と言いながら、一つ目の特徴は青識亜論氏という個人を念頭に置いています。どないやねん。

・自身と異なる意見を持つ他者が、どのような論理で自身と異なる意見にたどり着いたか知りたいと思っている
 -目的はあくまでも、他者の論理を知ることである
 -自身の意見と他者の意見をすりあわせる【会話する】ことは目的ではない
 -自身の意見の論理を他者の意見の論理に合わせるつもりがない
 -基本的にWin(自身)-Lose(他者)である
 -知識が流出する一方で歩み寄りが見られないため、他者は一方的に疲弊する
 -あるいは、他者は相手について「ものの道理がわからぬ奴」と認識する
 -自身が知識を蓄える一方で、対外的に軋轢を生む
 -意見を論理化できない他者を無価値と見なす


次に、二つめの特徴に移ります。今度は特定の誰かを念頭に置いたものではありません。

・ある概念には定められた一つの解が存在すると思っている
 -定められた一つの解以外の解釈による発話を攻撃する。発言者の意図は問わない。
 -定められた一つの解がない概念の発話は認められない。


二つ目の特徴については解説が必要ですが、先にAtmosphereさんに解説されてしまったのでAtmosphereさんのツイートを読んでください。これとか。
https://twitter.com/Lin_Jing_F/status/606009382657089536


私は児童ポルノという概念を例として挙げようと思います。

ex1)
定められた一つの解:児童ポルノとは実在する子どもへの性的侵害の結果として生じるものである
別解釈1:児童ポルノアニメは法で禁止すべきである(意図:児童を対象にしたポルノグラフィは子どもという概念に対する人権侵害であり、法で禁止するべきである)
別解釈2:児童ポルノアニメなどが無かった時代にもおぞましい性犯罪は起きてたし(中略)規制をかければ犯罪抑止につながると単純にいう人の意見にはおおいに疑問です。(意図:子どもを描くエッチな作品を規制したって犯罪抑止につながるかは疑問だから児童買春・児童ポルノ規制法による規制は必要ない)
(参考)https://twitter.com/6d745/status/593214554261172224

ex2)
定められた一つの解:ジュニアアイドルは児童ポルノの定義に含まれない
別解釈1:ジュニアアイドルは児童ポルノである(正確には、ジュニアアイドルは児童ポルノに含まれるべきである)。
別解釈2:日本では児童ポルノが野放しになっている(正確には、ジュニアアイドルは児童ポルノに含まれるべきである。よって、私が考える児童ポルノは日本では野放しになっている)
(参考) http://blogos.com/article/112650/


ex1の発言者の意図は「アニメやマンガを児童買春・児童ポルノ禁止法で規制すべきではない」であって「児童ポルノアニメなんて単語を使うとは何事だ」と返すのは発言者の意図を理解していない珍回答です。

ex2の発言者の意図は「ジュニアアイドルを法で禁止すべきだ」であって、これに対して「児童ポルノは日本で蔓延していない」「法の定義と違うものを例として児童ポルノが蔓延していると主張するのはおかしい」と返すのは発言者の意図を理解していない珍回答です。


最後に一つ目の特徴(特徴1)と二つ目(特徴2)を同一のグループとしてまとめてよいのか、という問題に入ろうと思います。

特徴1の人は発言者の論理構造に注意しているため珍回答が発生するはずがないと思えば、特徴1と特徴2は別グループです。一方で、特徴1の人は会話するつもりがなく、発言者の意図を推測しなかった結果として珍回答に繋がった考えれば同一グループです。

特徴2の人はある概念には定められた一つの解が存在すると思っているため、他者の意見の論理に合わせることはないでしょう。同一グループです。

特徴1と特徴2は一部重なっている部分がある、といったところでしょうか。

以上、とりとめの無い話でした。