猪瀬氏が若者の読書離れと言っているので反論

猪瀬氏の発言はこちらです。講演のついでにアンケート取りましたって、ホント適当ですね。

日本出版文化産業振興財団による2009年7月のデータを見てみましょう。本を読まない人間は20代23.9%、30代27.4%、40代24.5%、50代21.6%、60代21.0%。0冊読む人間に本を1冊読む人間を合わせるとどの年代でも52%〜54%となり、1カ月間に読む本の平均冊数のマトリクスはどの年代でも同じような傾向を示しています。

なお、この調査では読書しない理由も記載されておりまして、成年の場合は「仕事、家事、勉強が忙しいから」、未成年の場合は「本を読まなくても不便はない」がトップになっています。とは言っても、「本を読まなくても不便がない」と思っているのは未成年だけではありません。どの年代でも読書しない人間の30%〜40%は「本を読まなくても不便がない」と感じています。

http://www.jpic.or.jp/schedule/2009JPIC_research_R.pdf

経年変化については学校読書調査から見てみましょう。ここ10年の未成年の読書率は向上しています。http://www.sogotosho.daimokuroku.com/?index=hon&date=20090901

また、毎日新聞読書世論調査によると、書籍の読書率は毎年上昇、年が若いほど読書率が高いといった結果が出ています。

http://www.sogotosho.daimokuroku.com/?index=hon&date=20090831
http://www.sogotosho.daimokuroku.com/?index=hon&date=20090902

日本出版文化産業振興財団にせよ毎日新聞読書世論調査にせよ、猪瀬氏が示したデータほど若者が読書離れしているといった統計にはなっていません。猪瀬氏が示したデータはたまたま標本が偏っていただけでしょう。

追記。標本は4/16の勉強会に参加した都職員。「言語力・表現力を磨くための勉強会」に何故参加したか、志望動機のデータが必要。若者=表現力に関心のない人間を集めた、中高年=表現力に関心ある人間が集まった、ならこの結果も納得できる。