FFCC 小さな王様と約束の国

一周目クリアした時点での感想。Wiiウェアの宣伝役として用意された作品として、十分に魅力ある作品に仕上がっている。1500円でこの出来ならば安いと言ってよいだろう。難があるとすれば、後半に作業ゲーとなってしまう点くらいだろう。

システム

シミュレーションゲームとして、予想以上に練り込まれている。プレイヤーの手足となってダンジョンに挑む冒険者たちは、ダンジョンへ出発する前に、街で装備をととのえ、酒場でパーティを組むのだが、プレイヤーと同じように「街を走り回って」これらを行う。そのため、武器屋や防具屋などを離れた場所に配置すると、場所間の移動で時間を取られてしまい、ダンジョンを探索する時間がなくなってしまう、といったことが生じる。また、黒魔導学院の近くに住む冒険者の知性の初期値が上がるなど、隣接する建物に影響を与える仕組みもある。この二つの仕組みを上手く組み合わせて自分なりのベストの街を作ることがプレイヤーの目的となるだろう。

シナリオ

基本的には空気。シナリオの進行とともにプレイヤーが建てられる建物の種類が増える程度で、プレイヤーがすべきことはプレイ開始からクリアまで変わらない。一般的なRPGは「おつかいシステム」のため、どこの街に何があって……と覚える必要が出てくるが、このゲームは未攻略のダンジョンをクリアしてゆくだけで自動的にクリアへと進むことができるので、極端な話、シナリオを全てスキップしても問題ない。
容量制限もあり極めて短く、ゲームのなかでの重要性もほとんどない。ではなぜ取り上げるのかというと、クリア後にシナリオを思い出して、破綻していないと思えたからだ。極めてまっとうで筋が通っている。起承転結もしっかりとできている。理由は簡単で、子が親を乗り越えるというビルドゥングス・ロマンをそのまま踏襲しているからだ。スクウェアから次に出る「大作」もビルドゥングス・ロマンをきっちりと採用してもらいたいものだ。でも、ラジアータやヴァルキリー2のように「愛」に引きずられてしまうんだろうな。

音楽

全てあわせて40MBなので種類がない。しょうがない。