まえがき

ゲームとは何でしょうか?ゲームはどのように作成され、どのように利用され、どのように定義することができますか?ゲームは歴史が非常に古い人間の遊びの遺産です。チェス、将棋、囲碁バックギャモンなど、人類が古くから楽しんできた遊びはゲームの元祖といえます。過去の遊園地には、射的やダーツで風船を爆発させるゲームが人気を集めました。ゲームセンターが登場した後のゲームは、主に特定のメディアを通じて大衆に消費され、最近ではコンピュータ、インターネット、オンラインにおける文化環境が普遍化され、仮想空間で繰り広げられるシミュレーションゲームが人気を得ています。また、ワイヤレスインターネット環境が可能になり、モバイルサービスを介して、いつでもどこでもゲームを楽しむ時代がきました。ゲームは映像、デザイン、サウンドストーリーテリングが融合している私たちの時代の最も先進的な文化コンテンツとなりました。

ゲームは、21世紀の重要な文化的遊戯でありコンテンツとして浮上しましたが、残念ながらゲーム利用に関する多くの問題が引き起こされていることも事実です。ゲーム中毒が社会問題として登場したり、時にはゲームに関連してかんばしくない事件も起きたりします。ゲーム利用に起因するこれらの問題は、ゲームコンテンツが大衆からの多くの愛を受けて生まれる以上避けられないもので、ゲーム業界をはじめ私たちの社会が解決しなければならないものであることには間違いありません。

しかし一方にある、ゲームの利用に伴うマイナス要因を解決すると称して過度にゲームコンテンツを規制する方法は決して望ましい代替案ではありません。ゲームに没入することに対して中毒現象を解決するという理由で創造的な文化コンテンツであるゲームを過度に規制しようとする場合には、ゲームの根本的なアイデンティティが毀損されて、ゲームに対する否定的な認識が広がることでしょう。

最近発議された<中毒予防管理と治療のための法律案>(以下<ゲーム中毒法> )は、ゲームを麻薬、アルコール、ギャンブルのような中毒物質および行為と定義しており、ゲームのアイデンティティと産業、文化的価値を毀損する懸念が大きい。誤解を押し切って、この法律の名称を<ゲーム中毒法>と略称してあえて使用する理由は、この法律が事実上ゲーム中毒の問題を重く取り扱っているからです。ゲームコンテンツを、薬物やアルコール、ギャンブルと同じカテゴリの中毒物質および行為と規定すれば、ゲームの産業、教育、文化的価値は一体どのように説得力を持つことができますか?ゲーム中毒が科学的にも証明されていないばかりか正確な統計もない状況で、ゲーム利用者のごく一部に相当する中毒症状を治療するために、ゲームを最初から中毒物質に規定してアルコール、薬物、ギャンブルなどの部類で定義することが果たして合理的な規制案なのか疑問を抱かざるを得ません。このような定義であれば、中毒法に含まれるべきものどれだけ多いでしょうか?

この報告書は<ゲーム中毒法>の存在がゲームの位相、価値を真剣に毀損するのではという懸念の中で<ゲーム中毒法>の何が問題であり、ゲームの正しい理解のためにどのような努力が必要なのかを分析し、まとめた報告書です。レポートには、<ゲーム中毒法>の問題、ゲームコンテンツ規制に代わるゲームコンテンツの価値について、国内外の研究事例、<ゲーム中毒法>と関連した専門家のコラムが含まれています。このポリシーレポートを作成するための良い原稿をくださって、良い分析の研究材料を提供してくださった方々に心から感謝の言葉を伝えます。どうかこのレポートが<ゲーム中毒法>の問題を知らせることにより、ゲームの新たな理解と視野が向上されることを願います。ありがとうございます。

2014年2月17日ゲームと文化コンテンツ規制改革のための共同対策委員会委員長 泊再同

http://www.culturalaction.org/xe/635606#0