吉村夜『サイレント・ラヴァーズ2』

前巻と違い浅さが目立った。

  • <真の悪魔>というから何かと思えば、単なる殺人快楽症だった
  • 敵部隊の捜索・壊滅を目的とする軍隊が四日間も町の復興に携わる
  • 主人公が「超能力」を発揮して縦横無尽に活躍する
  • 一週間足らずで子供の言葉遣いが変わる
  • 吸収されたカスミが素直に科学者どもに協力している
  • 「その通り。ナチスドイツだって、ヒトラーアイヒマンは後の歴史に悪の権化として記されたが、ロンメル将軍などは多くの民衆に……いやそればかりか、捕虜となった敵兵にさえ畏敬された人物ですからね。カイオンだから悪だとか、連合軍だから正義だとか、そういったくくりかたはナンセンスです」なんて軽すぎる台詞がある。

などなど。前巻の悲壮さはどこへ行ってしまったのか。