街中で平然と売られているワイセツなビデオ。
海外からも厳しい目で見られているが、
特に非難の対象になっている物が。(ヒューマンライツ・ナウ伊藤和子弁護士)
「小さい女の子とみられる水着姿であったり
審査を通らないでもドンドン売ってしまう」
この段落より前は無修正ビデオ、もしくは海賊版などIPPAが活動対象とするビデオに関しての話である。着エロの話をするのであれば、話題の転換を示す接続詞を入れるなり解説を加えることが望ましい。基本的には着エロは刑法175条の対象にはならないはずだが、新聞テレビは刑法175条が対象であろうと児童ポルノが対象であろうとワイセツで括る悪癖があるため、今回もひそみにならったものであろう。「海外からも厳しい目で見られている」のは児童ポルノ(およびvirtual child pornography)に対する枕詞であり、単に猥褻なビデオに対しては不適切である。
(ヒューマンライツ・ナウ 伊藤和子弁護士)
「明らかに児童ではないかと、疑われるような、
少女とみられる女性が出てきて」ことし、東京の人権団体が秋葉原のDVD店を調査した所、
児童ポルノをうたう複数の商品が販売されていた。問題を深刻にしているのは、“無審査”の作品。
着エロの話をしていたはずが、「明らかに児童ではないかと、疑われる」表見児童ポルノ(seems to be, appearing to be)に話題が変わり*1、かと思えば着エロを指すと思われる*2“無審査”の作品へと回帰する。おそらく記者もしくは番組編集者が問題を適切に理解できていないのであろう。
(ヒューマンライツ・ナウ 伊藤和子弁護士)
「諸外国では児童とみられるものも、
児童ポルノとして規制しようとなっているので。
日本ほど児童の性的な描写に寛容な国は珍しい」
伊藤和子氏はかつてヨーロッパ型とアメリカ型を引き合いに出したうえでまずアメリカ型の年齢確認書簡の記録保管を提言していた*3。本発言だけを切り取ればヨーロッパ型の対策を求めているように誤解されるであろう。次があれば慎重な発言を期待したい。
引用は『観光地に蔓延る違法店 海外から厳しい目が…』より。