ついに「サイバー査察」防止の目的法案が発議された。国会安全管理委員会幹事のジョンチョンレ議員(新政治民主連合)が政府機関の無分別なサイバー査察を防止し、国民の情報人権を保護しようという趣旨で、通信秘密保護法・電気通信事業法・個人情報保護法・刑事訴訟法改正案をまとめて発議した。8月、朴槿恵大統領の「大統領冒涜」発言と検察の関係機関対策会議で浮上した「サイバー査察論議」に対して市民団体と野党が関連法改正を介して防御に出る形だ。
サイバー査察防止法案は、政府機関のインターネットの監視に利用されている法・制度の抜け穴を防ぐ「総合処方」の性格が強い。主な内容を見ると、捜査機関が傍受と通信事実確認と通信内容の押収捜索をするときは、終了後90日以内に当事者に執行内訳を通知するようにした。事後通知が正常にされていない点を狙って盗聴や家宅捜索令状の申請と発行が乱発されていることを防ごうという趣旨だ。通信データの提供も盗聴のように、裁判所の「令状」を受けるように手順を強化し、個人情報の利用履歴を情報主体に定期的に通知したり閲覧することができる内容も含まれた。
サイバー査察防止法案の改正には、社団法人「オープンネット」も参加した。オープンネットは、インターネットに対する監視と規制撤廃を主張して活動する専門家集団である。ここには学界と法曹界などの専門家たちが大勢参加している。オープンネットは「情報人権保護のために必ず必要な部分のみを入れた。法通過の可能性まで考慮した」と説明した。現実的に実行可能であることなども調べたという話だ。
問題は、「相手」である情報・捜査機関もそう思うかだ。彼らはこれまで電気通信事業者の協力義務を強化する方向に力を入れてきた。このため、鄭議員が発議した法改正案が国会で審議されて与野党の交渉が行われる過程で、とんでもない方向に変質するのでは懸念が市民団体側から提起されている。いわゆる情報・捜査機関のほうが鄭議員とオープンネットが敷いたむしろの上で「規制強化」をしようとするだろう。情報・捜査機関は、これまでにも、与党と保守言論を背負って、機会あるごとに「規制強化」をしようとしてきた。最近も、カカオは電子メール傍受令状の執行協力拒否議論を起こし、電気通信事業者の傍受協力義務を強化しなければならないという世論を起こしたことがある。
情報・捜査機関は、電気通信事業者自ら傍受設備を装備する「目標」を持っている。これが行われると、移動通信とカカオトークはもちろんのこと、これから新たに登場するインターネットサービスをも盗聴が可能になる。米国は「9・11」の後続措置として可能だが、我が国では違憲が大きい上、通秘法制定の趣旨に反する市民団体の反発で撤回されることが繰り返されている。
市民団体の方は、ソサンギセヌリ党議員が発議した通秘法改正案も、これらの試みの延長とみなす。情報・捜査機関の宿願をそのまま含んでいるということだ。この法案は、今年の初め発されたが、すぐに行われた「国家情報院のコメント」事態などで審議案件として上程すらされなかった。過去の定期国会では常任委員会全体会議の議題に上程されたが、法案審査小委には入らなかった。このような理由から、市民団体の方は、「マージ処理」などの名目で鄭議員の通秘法改正案で改正案の内容が入れられてない。