かつて国会議員から朴槿恵政府からのスポークスマンを経て女性家族部長官を務めたジョユンソン長官はこのたび大統領政府政務主席に内定した。漫画界では漫画振興法の通過を主導した人物として記憶されていますが、あれよあれよというまに政務主席に。出世街道まっしぐらですね。確かに朴槿恵一派の主軸と位置づけられています。問題は、ジョユンソン長官が議員だった頃の言葉や期待とは異なり、ゲームをはじめとする大衆文化に対する政府の弾圧貴重に忠実だったことです。漫画の日のイベントに来たものの空念仏でしたし、漫画弾圧と関連しては大きな問題となった児童・青少年の性保護に関する法律(アチョン法)は最終的にジョユンソン長官在任時に成立しました。
そして、その後に女性家族部長官に内定した人がセヌリ党のキム·ヒジョン議員です。この人は先だってアチョン法の2条第5号の内容に「明らかに」の一文字を入れただけの改正案を通過させた人です。国会における子ども・女性に対する性暴力対策特別委員会の法案審査小委員会の委員長でもありました。国会議員が修正案を発議する場合、国会法審査小委員会を通すことになっていますが、その委員長でした。チェミンフイ議員(民主党・当時)が発議した1次改正案はキム·ヒジョン議員が主導した小委員会を通過できず、2次改正案はまさにキム·ヒジョン議員が発議して通過していた上記の改正案が可決されたばかりじゃないかという理由で挫折しました。
その後2月になると民主党の合併話で紆余曲折が多く、話を進められる状況ではなくなりました。そんな中、ジョユンソン議員はアングレーム国際マンガ祭で慰安婦作品の展示を行い、女性の問題と慰安婦問題を国際的に知らせるという所期の成果を、漫画を活用することで成し遂げました。アチョン法改正は停滞し、今度は法律を所管する女性家族部の主張にキム·ヒジョン議員が入る見込みです。内定者からの聴聞会がかかっていますが、おそらくは就任する可能性が高いでしょう。
就任後、キム·ヒジョン議員の女性家族部はアチョン法をどのように扱うでしょうか。多くの論争があったにも関わらず「明らかに」の一語を入れただけの改正をした人物が長官になれば、改正の議論や動きに対して反対する可能性が大きいでしょう。自分自身が引いた線を越えようとすることになりますからね。
むしろアチョン法をはじめ、政府の言うがままに傍観したに過ぎなかったとはいえ、ジョユンソン長官を失うことになるかもしれないのは悲しいことです。