誰がゲーム規制がほしいと思っているのか。

ゲームの規制を主張しているのは誰なのか調べるべきである。先に紹介した会話の内容にも彼らが誰であるかについてのヒントが隠れている。ボーイスカウトはもはや学生の軍事アクティビティが人気を得られないと、関連立法ロビー活動を通じて命脈を維持しようと決意した。当時の与党であるウリ党がこの法案を発議して通過させた(17代国会議員弾石に入ってきたその議員が主導したことは正しい)。子供が愚かな法律のために義務的に関連する活動を行い確認証を受けて提出する手間が必要となり、青少年修練施設業界関係者のために時間を奪われるようになった。

90年代後半に導入された学生ボランティア義務化も同様である。自発性に関する数多くの議論を頭の中から追い出して、一定のサービス時間を満たさなければ入試に不利益が生じる可能性があるという脅しの中で子供たちは泣く泣くボランティア活動時間を満たさなければならなくなった。おかげで、多くの機関が学生の労働力を安価に利用することに多大な支援を得た。青少年を対象に色々な体験プログラムを運営していた彼らはさらに「青少年活動振興法」という法律まで作って青少年の体験活動を大学入試に反映するようにし、この活動運営機関の運営を国の予算で補助し、青少年の参加記録を公の場で委託管理するようにまでした。

このように、彼らは過去数年間、学校の入試制度を口実に私教育学院産業から子供を奪ってくることに成功したように見えた。それでも実績はわずかだった。そして、彼らは次の攻略目標にPC部屋の若者に目を向けたのだ。

ゲーム業界と競争する人々

PC部屋の子どもは「健康な肉体と精神」を切磋琢磨する青少年に生まれ変わらなければならないという使命感を本当に持っていたならば、'体力 'を論じるだろう。しかし、彼らが注目したのは青少年の成長ではなく「時間」だった。

青少年体験活動業種は、前述したように、これまで私教育学院産業と熾烈な競争を繰り広げてきた。そして今、さらにゲーム業界と競争する局面なのである。ナイキのライバルは任天堂であるかのように、この争いのもとには、子供たちに与えられた余暇時間をめぐる業界の競争構図が敷かれている。

まして分断された私教育産業主体との争いとは異なり、大規模な上場企業で構成されるゲーム業界との争いだから、これらは自己強化振興立法ではなく、相手をおさえる規制法に進路を変更する。そして彼らは青少年修練活動指導者、青少年カウンセラー、有害メディア班、映像物等級委員などの役職を脱ぎ捨て「ゲーム中毒防止の伝道師」に変身する。

「ゲーム中毒予防の伝道師」の登場

たとえば、ゲーム規制法案の推進に最も積極的に取り組んでいる市民団体の関係者の履歴は次のとおりである。

  • キリスト教倫理実践運動本部幹事
  • キリスト教倫理実践運動本部総務
  • キリスト教倫理実践運動本部総務
  • 映像物等級委員会委員
  • 映像物等級委員会のゲーム提供、業務用ゲーム物等級分類小委員会の議長
  • 映像物等級委員会副委員長
  • 国家青少年委員会メディア分科ポリシー諮問委員
  • インターネットゲーム中毒予防教育、民間機関である "遊びのメディア教育センター"設立者


著書は、次のとおりである。

  • 最近の子供たち(1995)
  • 大衆文化はもはや沈黙することができない(1998)
  • 勉強への集中力を高める子供のゲーム節制力(2010)


このおじさんはゲーム業界では、生放送TV番組に出てゲームに対する嫌悪の発言を吐き出したことで「卑劣な言葉」「妄言」製造機として知られているが、実際には敬虔な信者であり、青少年有害媒体環境に対抗して闘い、青少年を保護する大きな努力をしてき高潔な方だ。「大衆文化はもはや沈黙することができない」という本の共著者でもあり、映像物等級委員会からのゲームの評価分類を買って出て、今やスマートフォンのゲームと対立して戦う「ゲーム中毒予防の伝道師」「スマートフォン中毒予防の伝道師」となった。

「若者の睡眠権」を導入して 「ゲームシャットダウン制」を作る

彼の業績を再度振り返ってみよう。まず「青少年の睡眠権」という奇想天外な概念を導入し「ゲームシャットダウン制」という世界初の奇怪な制度を立法通過させたのだ。

キリスト教倫理実践運動本部」という団体は立法活動に最も積極的であった。私は当時、彼らの活動を支持するパネルディスカッションに出てほしいと依頼を受けて、彼らにこう答えたことがある。「人権としての青少年の睡眠権を大切に思うなら、これまで容赦なく侵害してきた夜間自律学習、礼拝強要などにも立ち向かわなければならないでしょう。それに賛同しますか」と。

すると「そんなことは許せない。私だけが正しいという独善を捨てなさい。若者の睡眠権運動を支持する若者たちも非常にたくさんいる。バランスの取れた議論をしてください」などの感情混ざった答えがで印象深く記憶している。

ゲームシャットダウン制の本質:女性家族部の登場

ゲームシャットダウン制の本質は、青少年の睡眠確保ではない。この制度を施行してゲーム全体の規制の法律および規制行政機関が登場したことである。規制法はこれを執行する規制行政機関を伴う必要を生じた。それが女性家族部である。キリスト教倫理実践運動本部などの青少年団体が「ゲームシャットダウン制」を主張し始めたのは2004年、そして希望教会長老の方が大統領なった2008年から女性家族部が態度を変えて関連法の検討に積極的に着手し、立法通過に達することになる。

実際には「ゲームシャットダウン制」を提唱したのは、「キリスト教倫理実践運動本部」という団体だが、ここに火をつけたのは女性家族部である。ゲームの規制の法律によって、女性家族部は、文化観光部や教育部を相手に対抗できる絶好の機会だったので、政権交代以降、積極的にゲーム規制法の推進に参加することになる。

これまで保健福祉家族部や女性部、青少年保護委員会などに分割されてその地位を尊重されなかったの女性家族部が名実共に「ゲーム規制機関」として位置づけられて他の機関と対抗するのである。

ゲーム業界の "ピントゥトギ"は、高度な政治的策略

その次が、今論議を経験しているゲーム業界の売上高徴収法である。前述した「ボーイスカウト」「ガールスカウト」のケースで触発された「青少年育成活動業界」の夢はここだ。皆が関心を持たなかったが、ヒントになるような重要な記事が流れていた。

18日、関連省庁や業界によると、女性家族部は、「青少年育成基金の財源拡充方案研究」という研究課題を発注した。この研究課題では、青少年育成資金を集めるの対象に酒、タバコ、060サービスと一緒にゲームを含めた。青少年に悪影響を与えるゲームから資金を得ようという発想だ。……(中略)……専門家は、最も可能性の高い資金調達先がゲームだと判断した。……(以下略)……"

電子新聞、「不足している青少年基金財源、ゲーム業界でカバー」、2010年4月19日。

ゲーム中毒予防のための財源確保の話は、最終的に「青少年育成基金」の財源をゲーム業界から出すという話である。再度述べるが、政治というのは、基本的にある集団が他の集団の分け前を奪うため争うプロセスである。規制法の立法と新型規制行政機関への進出などの最終的な目的はお金である。彼らはお金が欲しいのだ。

これまで我々は、政府がゲームを罪悪視するとし、この国は、やはりゲーム産業が成長することができない情けない国だと嘆いていた。しかし、視線をゲーム規制ではなく、その規制を推進してきた集団の過去の面々に向けてみると、この問題は、ゲームに対抗する集団の政治的策略であることを知ることができる。ゲーム業界は、単に政府や立法機関を慨嘆するのではなく、ゲームを口実に存立する部署とゲームを口実にお金を他の業界に流したい集団と激しく政治的に争っていかなければならない。実際にはこれはゲーム業界だけでなく、この社会を生きていく全ての人間が置かれている立場でもある。