メイザーズぬまきち講演会 メモ2「R−18ゲームの現状と表現規制について」

R−18ゲームの現状

店舗に届く前に違法ダウンロードが出回るのもR−18ゲームの特徴。ロマンシング詐欺のときは電話がたくさんかかってきた。さぞかし儲かっているんだろうと思ったら、額面通り払った人はそんなにいなかった。海賊版を入手する人のリテラシも高まってきたようだw

近年、DL販売という形態もあるが現状では売れない。DL販売しているサイトは同人、AVも売っているが、初心者は何も知らない作品より二次同人の方を買うのではないだろうか。

R−18ゲームの作成本数は2001年から半分未満に減少、出荷本数も半分強に減少している。にも関わらず加盟会社数は2割弱しか減ってない。パイの奪い合いになっている。

P2Pは個人的には止められないと思っている。トラフィックを見る限り、影響がないとは言わないが皆が言うほど大きくはないのではないか。オンライン認証はプロテクトとしては効果が高いが、売り上げは変わらない。認証会社に支払う費用を考えると儲からないこともある。個人認証の概念はよいが、今の形では意味がない。海外では、追加コンテンツをダウンロードする権利をソフト本体1つに対して1回だけ有効にするワンタイムチケット制がある。中古対策として、ダウンロードする権利を10ドルで売ることもある。

海外からのバッシングについて

エロ本を見るとムラムラして犯罪に走るという考えは思い込み、嘘。2007年のアメリカで科学的に検証され、否定されている。インタラクティブメディアによって、人間がどう反応するかという実験。そのため、アメリカではゲーム有害論の影響力は小さくなっている。だからか、ゲーム有害論で有名なアンダーソン教授が今年「最後の実験」を行うと予告。保守派から金が出ている。

昨日のニューヨークタイムズハーバード大学の教授がこんなことを言っていた。

Q.不況なのに犯罪が減っているのは何故? A.ゲームでフラストレーションを発散しているからです。

ゲームをやると人を殺すとか言っているのはイギリスと日本だけだ。「見たくない人には見せない」「有害ではない」ということを主張してゆく必要がある。東大総長の濱田教授も言っている。「結局のところ、稟議は国民にどれだけ理解、支持されるかという事実が大事」

レイプレイ騒動

【イギリス】ゲームバッシングで有名なヴァズ議員が議会で「強姦ゲームがある!」と発言。「そんなもんはない!」と反論される。実際、無かったのでアマゾンのマーケットプレイスで中古の日本のゲーム『レイプレイ』を入手。「あるぜ!」と主張するが正規流通品ではないため、ゲーム規制派の議長を含め全員スルー。

アメリカ】非実在NGOをでっちあげて蓄財していた議員をイクオリティ・ナウがたたきつけてレイプレイをAmazonから削除させた。ガーディアン紙に「ポルノは世相を映す物で、隠しても意味がないよ」という記事を出されて沈静化した。

【日本】ヴァズ議員の公金横領のニュースが伝わる一日前に読売新聞が取り上げる。海外の動きをよくわかってないソフ倫が自主規制。美少女ゲームというのもアレなのでR−18ゲームと呼称することに決定する。

【インド】Time of Indiaで取り上げられる。インドと倫理観が違う日本のゲームをミャンマー人が勝手に翻訳して持ち込んだ。ミャンマー人けしからん。後半はインターネット禁止論。

青少年に有害?

去年、ガーディアン紙が「ゲームで影響受けるなんてありえないよ」という記事を掲載。イクオリティ・ナウのジャクリーン・ハントが反論するも、その反論記事が空前のバッシングを受ける。

どんなに有害な内容であっても、親の態度によって反応が怒る。(見るのやめよう、となる)というカルフォルニア大の実験。

法政大学の越智教授が海外の研究を紹介している。エロいものを見ると犯罪が抑止されるという飽和療法。カルフォルニアバーモンド大のマーシャル教授の研究によると、通常の性犯罪者の再犯率は32%。飽和療法を実施した性犯罪者の再犯率は14%。特に、ペドフェリアに対しては効果があり、再犯率は3%。去勢した人の再犯率が15%なのだから、その効果のほどが見て取れる。

海外からの圧力、という話がある場合はオリジナルソースを見るようにする。害はないんだよ、といういことを皆に言っていく。皆が害がないという共通認識を持てば変わる。