大団円(上)を読んで

「くははくはは!」
収容所から脱走してきた紅魚だ。追っ手がすぐそこまで迫っているので手早く行こうと思う。

鏡閃

和穂を恨んでいる理由が明かされた。龍華の計らいによって家族と過ごせることになった鏡閃。子孫の行方を見守ることしかできない我が身に歯がゆさを感じながらも、それなりに龍華に感謝をしていたようだ。ところが和穂が宝貝を解放してしまったために、鏡閃の妻か祖先の存在が抹消され「鏡閃の一族」そのものが存在しなかったことにされた、ということらしい。
実は張良さんが鏡閃の妻の先祖で、殻化宿に引きこもったために子孫が生まれなくなった、という落ちじゃなかろうかと思わなくもない。

龍華

封仙娘娘追宝録は和穂が宝貝を探索する話と龍華が和穂を追い求める話との二重の意味が込められていたようだ。さて、龍華自身の言葉にあるようにこれからの展開は「龍華も和穂も生き残る」「龍華が死んで和穂が生き残る」「和穂が死んで龍華が生き残る」「二人とも死ぬ」のどれかだ。龍華が九遙洞に別れを告げたことを考えると、龍華が選んだ手段は「龍華が死んで和穂が生き残る」の可能性が高い。
封仙娘娘こと龍華降臨の勅令は「地上に出現した」仙人である和穂を討伐せよとある。この事態を打開するには鏡閃にしたように仙骨を奪うという手段の他に、和穂を仙界へ戻すという選択肢が存在する。和穂と共に逃げたところでいずれ仙界からの追っ手に敗れることは必定、ならば自らが騒動の火種となり和穂に対する追究を逸らしたすきに護玄が宝貝回収を行い、全ての宝貝回収をもって和穂(だけ)は仙界行きという筋書きではなかろうか。この方法なら「くらえ爆裂真火!」的な荒い回収方法になったとしても龍華の仕業にできる。

夜主

存在しなくなったはずの鏡閃の一族が鏡閃の仙骨あるいは龍華の符の影響で、ああいう形となって残っているのか。龍華の形をしているのはある意味龍華が一族の母親であるからと考えられる。

大帝

流麗によると我々が思っている以上に大帝は「ぼんくら」であるそうだ。龍華の流れ弾が来たら混沌を暴発させて緊急回避、あるいは混沌を暴発させて鏡閃と和穂の綱を切る、といった活躍が予想される。実は混沌のなかに護玄が隠れている、なんてのは考えすぎだ。

下巻

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