今日の読書


金庸『射鵬英雄伝』

全巻読了。ある種ドラゴンボールにも似た無茶苦茶なストーリーが逆に魅力的。もともとの発端である「父の敵」「義兄弟の息子同士による決闘」は完全にどこかへ行ってしまった(そう、黄蓉が悪いんだ!)ことを思い出させない一気呵成のシナリオ進行には脱帽します。


ただ、全体のシナリオを俯瞰すると楊康の使い道に困って適当な理由で殺してしまうわ、父の仇は他人に討たれてしまうわ、ラストに困ったのか華山論剣を持ってきて強引に終わらせるのはどうでしょう。やっぱり黄蓉が悪いんだな。やつが出てから一気に歴史小説から武侠小説にシフトしてしまった。


黄蓉自体は好きなんですけどね。個人的には穆念児にコナかけているときの楊康が最高だと思います。次は周伯通の兄貴。


宮城谷昌光三国志 第四巻』

曹仁が率いた騎馬隊は百戦百勝のくだりで違和感を覚えた。ハゲの曹仁蒼天航路)に慣れてしまったからだ。劉備は何考えているのか全くわかりません。董承は董卓の一族と書いてあったけどそうだったか? だとすると献帝の度量は並ではないな。最近の宮城谷作品には正義が幅を効かせていないのが嬉しい。できればいつか、夏姫春秋のようにエロシーンで物語を始めてくださいな。