読書
この本と大塚英志『物語の体操』を比べると、大塚本が効率を重視したマニュアル本であることがよく分かる。大塚本は誰にでも実践できるように書かれている一方、沖方本はある程度のレベルに達した人間を読者としているようだ。ただし、沖方本は実例に富む点…
小心な殺人犯のラスコーリニコフ君に聖女のごとく気立ての良い彼女ができるなんて間違ってる。それはともかく、筋書きを組み立てられなかったSSを「見立て」で書き上げることができるかもしれん。
マリみて『あなたを探しに』読了。由乃が言うように最近の祐巳さんはすぐ「ちゃんとするモード」になってしまうので、おたおたする祐巳さんに癒される私としてはちょっと寂しい。本筋とは関係ないけど、カードを探しに薔薇の館へ来たのではない瞳子ちゃんに…
森見登美彦『太陽の塔』『きつねの話』『走れメロス』を読了。『太陽の塔』は一ページ足らずで場面が転換されてしまい、内容以上に読解を難しくさせている印象を受けた。『きつねの話』はこれまで読んできた他のモリミー作品と違い「文学」を思わせる話の展…
劣等感を感じたことのない人間からすれば、くだらない題材を予定調和的に仕上げた駄作ということになるのだろうなあ、と冷静になった自分はそう感じた。どこから見ても馬鹿馬鹿しいネタを使って、結局のところ「所詮俺は駄目なのさ!」に落ち着くどうしよう…
どこがどうひん曲がるとあの名作が桃色パンツになるのか俺には理解できない。この著者は馬鹿であると断言する。が、馬鹿を突っ切って天才に駆け上っているようにも思える。
前田圭士『ゲームシナリオライターの仕事』 有川浩『図書館危機』 前者はシナリオの基礎を起・承・転・結に分けて説明する書籍だ。受け手側ではなく作る側の視点を徹底して意識に入れて書かれている。いかにゲームシナリオを作るかに視点を置いたこの本はと…
金庸『神都剣侠』 50Pほどで耶律晋がいつの間にか耶律斉という名前になって、一度登場した妹が二度と出てこなくなることに象徴されるように、前作にもましてストーリーは行き当たりばったり。出てくる女性がことごとく主人公に惚れるというストーリーはま…
信じられませんが、ラグナロクの新刊が出ているようです。奇想天外な方面に展開しっぱなしの伝勇伝もエスクード短編も出ていたようです。会社近くはラノベの品揃えが悪いだけならともかく、新刊と既刊を区別しないという信じられない有様なので状況が全くわ…
金庸『射鵬英雄伝』 全巻読了。ある種ドラゴンボールにも似た無茶苦茶なストーリーが逆に魅力的。もともとの発端である「父の敵」「義兄弟の息子同士による決闘」は完全にどこかへ行ってしまった(そう、黄蓉が悪いんだ!)ことを思い出させない一気呵成のシ…
珍しく迷惑トラックバック/コメントが来ていました。こんな辺鄙な場所へよくぞお越しになりました。設定まだしてなかったけど外からは届くという確認に使わせて頂きました。ありがとうございます。 並木朱鷺『魔法少女リリカルなのはRL』 悲しいことにま…
素直に『「準」ひきこもり』という題名でいいんじゃねえかというこの本。帯には『ネット騒然』との煽り文句(流年者の日々を参考)があるのだが、ダブルクォーテーションでググってみれば5件ヒットしたうち4件が本屋で残り一件が著者のブログという状況に…
北方謙三『水滸伝 1』 国を正さんとの思いを秘め、全国にこれぞという者の網を張り巡らせて10年、20年の計を立てる宋江。誰だこいつ。ことあるごとに「官軍に帰順したいよう」と嘆くような奴に何故か人心が集まるという水滸伝はどこにある、ここに欠片…
谷川流『涼宮ハルヒの暴走』『涼宮ハルヒの動揺』『涼宮ハルヒの陰謀』『涼宮ハルヒの憤慨』 新刊になるにつれて「SOS団一体となって戦うぞ、オー」という雰囲気が出てきた結果、まとまりがでてきた感じです。 ローレンス・レッシグ『FREE CULTURE』 レッ…
谷川流『涼宮ハルヒの消失』 素晴らしい。無理に萌えを入れているような感じがなくなったからか?
谷川流『涼宮ハルヒの退屈』 お。こりは面白い。パターンは決まってんだから、短編くらいが丁度いいんじゃなかろうか?
谷川流『涼宮ハルヒの溜息』 ふむふむなるほど。なんとなく分かったような分からないような。どことなく水戸黄門的だ。そして基調はジュブナイル。後ろ髪を慌てて解くハルヒ萌え?
谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』 これは……面白いのか? 未来人?宇宙人?超能力者? 冗談なのか何なのか。最後、ふつーにジュブナイルらしく終わってますますわけがわからん。 今野緒雪『マリア様がみてる 大きな扉小さな鍵』 これは、凄くイイ! ここ数巻鬱めの…
レッシグ教授『CODE』。インターネットは誰もが公平に接続され、誰もが公平に発信できるというその特性上イノベーションを促進させる。果たしてそうか? その特性というのはインターネットを設計した人々が組んだコードにより実現されているだけであって、物…
デイヴィッド エディングス 『エレニア記』1・2巻。夏込みの列待ちで読破。おもしろいくらいにするすると読める。マロリオンは分厚くて「一体、いまどこにいるのか分からないよ〜」という状態だったが、『エレニア記』は主人公が何を目指しているのかが分…
滝本竜彦『超人計画』。章が下るにつれて詰まらなくなっていく。どうしようもない。中身も『NHKにようこそ!』のネタ話であり、当人も分かっているように『NHKにようこそ!』の二番煎じにしか思えない部分も多々ある。あと、滝本氏はついに結婚したようだ。…
筒井康隆『時をかける少女』。映画を見る前に読もうと思って買ってきた作品。主人公を「かの少女」扱いする古風さと単調さが入り交じる文体に最後まで慣れなかった。あとがきには高校生向けと書いていたが、だとしたら昔の高校生は日本語能力に欠けていたの…
ジョージ・R・R・マーティン『七王国の玉座』1〜3。ファンタジーだけれども歴史小説に通じるものがあるという謳い文句にしては短絡的・無理な設定が見受けられる。最たるものは刺客が持っていた剣に関する一連の話でだ。柄がドラゴンの骨で作られている…
コミケット叢書『マンガと著作権』。発行、2001年8月。当時はエロゲメーカーも二次著作権にさほどうるさくなかったのですが、最近は大手だと二次創作についてのガイドラインが書いてあります。文句言われるか言われないかの境目がハッキリしたのは良いことだ…
枕/オダワラハコネ『サクラノ詩』。枕の処女作だったはずなのだが、いつの間にか『H20』に抜かれていた作品の導入部を漫画化したもののようです。「ハコネ=アゴが細い」という先入観があったのでまるで別人のようなタッチに見えました。 読み終えた感触で…
ローレンス・レッシグ『CODE』。「法」「(社会)規範」「市場」「アーキテクチャ」の相互作用で規制が実行化される。サイバー世界は自由で何でもありの世界に思えるけど、実はこの4つの要素により全く別のものに変貌してしまう可能性がある。サイバー世界…
天野こずえ『ARIA 9』。だれ気味のネタが多かった前巻と違い、ほのぼのとした中にぐっと涙腺にくる展開を忍ばせたARIAらしい展開を堪能させて頂きました。いやあ、アルくんとの仲が進展するとは意外だ。
今日買ってきたコミックスで積ん読がめでたく25冊に達した。シャレにならないので今週はVP2を一時中断する。時間がかかりすぎるラスボス戦に勝てる気がしないのも大きい。 佐渡川準『無敵看板娘N』。連載時はもう佐渡川も駄目だなと思って見ていたが、…